ブラックボックス(航空機)(読み)ぶらっくぼっくす(英語表記)black box

翻訳|black box

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ブラックボックス(航空機)
ぶらっくぼっくす
black box

航空機事故の際に備えて、当時の操縦室内の会話や飛行状態を記録するための装置の総称。事故原因の究明に不可欠な手がかりとなる。旅客機のブラックボックスは、飛行データ、高度パイロットの操作や入力内容が記録されるフライトレコーダーと、120分程度の操縦室内の会話や音声データが録音されているボイスレコーダーの二つの装置で構成されており、通常は飛行機後部の尾翼付近に取り付けらている。それぞれのレコーダーには半導体メモリー、発信器、保持電源が装備されており、外部からの操作や意図的な記録の停止はできない仕組みになっている。一般的な旅客機に装備されているブラックボックスは、1000℃以上の高温や水深6000メートル以上の水圧にも耐えられる材質と構造で、発見されやすい赤やオレンジ色で塗られている。航空機の事故や機体が行方不明になった場合、ブラックボックスの発信器は、およそ30日間にわたって一定周波の信号を発信し、その所在位置を捜索者へ知らせることができる。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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