プトマイン

デジタル大辞泉 「プトマイン」の意味・読み・例文・類語

プトマイン(〈ドイツ〉Ptomain)

肉類食品の腐敗によって生じる有毒成分。食中毒の原因物質と考えられていた。屍毒しどく

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百科事典マイペディア 「プトマイン」の意味・わかりやすい解説

プトマイン

屍毒(しどく)とも。動物組織特に肉類が微生物作用により腐敗・分解して生じる有毒性物質の総称。プトレシン,カダベリン,ニウリン,ムスカリンなど。食中毒の一因とされるが,プトマイン中毒と呼ばれるものの多く細菌毒素による。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プトマイン」の意味・わかりやすい解説

プトマイン
ptomaine

蛋白質などが細菌によって腐敗したとき生じる塩基性有毒物質をやや漠然と総括した名称。英米語での発音はトーメイン。主体アミノ酸が脱炭酸して生じた種々のアミンである。特にそのうちジアミン類 (リジンオルニチンから生じる) は毒性が強く,悪臭があり,プトマインの中心的物質。またヒスチジンから生じるヒスタミン血管拡張,アレルギー反応の原因となる。

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世界大百科事典(旧版)内のプトマインの言及

【腐敗】より

…その仲間であるクロストリディウム属Clostridiumの細菌はタンパク質の腐敗にしばしば関与し,その中には強力な毒素を産生して,食中毒の原因菌となるボツリヌス菌が含まれている。以前は,腐敗した食物による食中毒は,タンパク質が分解して生成したアミン類によるものと考えられて,それらをプトマインと称したが,現在ではこの考えは否定され,食中毒はそれぞれ特定の細菌に起因することが明らかになっている。 腐敗に関連した微生物の分解作用の好ましくない面の一つとして,木材腐朽のような資材の微生物的劣化があるが,この場合には各種のカビが主役を担うことが多い。…

※「プトマイン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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