プライムレート(読み)ぷらいむれーと(英語表記)prime rate

翻訳|prime rate

精選版 日本国語大辞典 「プライムレート」の意味・読み・例文・類語

プライム‐レート

〘名〙 (prime rate) 銀行が一流企業向け貸出しに適用する最優先貸出金利。主として短期金利であるが、日本では長期プライムレートもある。〔法人資本主義の構造(1975)〕

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デジタル大辞泉 「プライムレート」の意味・読み・例文・類語

プライム‐レート(prime rate)

銀行が信用度の高い一流企業に対して適用する最優遇貸出金利。→短期プライムレート長期プライムレート

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改訂新版 世界大百科事典 「プライムレート」の意味・わかりやすい解説

プライム・レート
prime rate

アメリカの商業銀行が最も信用度の高い顧客に適用する短期事業貸出向けの最優遇金利。最優遇貸出金利ともいう。アメリカの短期金利の動向を示す重要な指標となっている。

 アメリカで銀行業界により全国的に統一された形でプライム・レートが設定されたのは1933年である。その後時々の経済・金融情勢に応じてしだいに頻繁に変更されるようになり,71年10月以降は市場金利をより迅速に反映させるため,コマーシャル・ペーパーCP)の金利(CPレート)にスライドさせるフローティング制に移行,現在ではCDレートを中心に他の市場金利の動向をも勘案のうえ弾力的にプライム・レートを決定する方法が採用されている(実際には大手銀行の動きに他行が追随)。しかし,80年代に入ってCPや外銀貸出しとの競合から,公表されているプライム・レートを下回る金利(いわゆるスーパープライム)による貸出しが急増していることが指摘されている。

 日本では1959年3月このプライム・レート制度に倣って標準金利制度が設けられ,法令上の最高限度内で公定歩合とパラレルに動くシステムとなっている。期間1年未満の貸出金利を短期プライム・レート,1年以上のそれを長期プライム・レートと呼ぶ。前者は公定歩合に連動し,後者長期信用銀行が発行する5年物の利付金融債利率に連動する。金利自由化が進み市場金利連動型預金が増加するなかで,短期プライム・レートについては,89年1月より銀行の調達資金のコストに連動した新短期プライム・レートが登場した。また長期プライム・レートについても91年4月から,短期プライム・レートに一定の利率を上乗せした新長期プライム・レートを都市銀行などが導入した。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「プライムレート」の意味・わかりやすい解説

プライムレート
ぷらいむれーと
prime rate

銀行が企業に対して融資する際に、もっとも優遇する金利(最優遇金利)で、もっとも信用度の高い一流企業に対する最優遇貸出金利のこと。貸出期間が1年未満のものを短期プライムレート(短プラ)、1年以上のものを長期プライムレート(長プラ)とよび、このプライムレートは各銀行が個別に決める。短期プライムレートは短期金融市場の動向によって決定され、無担保コールレート(オーバーナイト物)という政策金利に準じている。長期プライムレートは、金利自由化以前に、住宅ローン金利の目安で旧長期信用銀行などの金融債の金利によって決定されたが、自由化の進展で現在は短プラに一定利率を上乗せする新長プラになり、住宅ローン金利などに用いられる。プライムレートはそもそもアメリカの市中銀行が一流企業に供与する短期の最優遇貸出金利で、1959年(昭和34)にこれに倣い日本の標準金利が導入された。現在では標準金利をプライムレートとよぶ。

[村本 孜]

『日本銀行金融研究所編『新版 わが国の金融制度』(1995・日本信用調査)』『鹿野嘉昭著『日本の金融制度』(2001・東洋経済新報社)』

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世界大百科事典(旧版)内のプライムレートの言及

【銀行】より

…銀行貸出しの信用割当てのメカニズムは,とくに優良企業に対する貸出しについては,機能する余地が狭まった。優良企業への貸出条件であるプライム・レートは,銀行業の管理価格的性格をもっていたが,今日では,超優良企業に対し,プライム・レート以下の貸出しが行われるケースも生まれ,管理価格の性格が弱まった。これは,とくに民間銀行の短期貸出しについて著しい。…

※「プライムレート」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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