プレイアデス
Pleiades
ギリシア神話で,ティタン神アトラスとプレイオネPlēionē(オケアノス〈大洋〉の娘)の7人の娘,アルキュオネAlkyonē,メロペMeropē,ケライノKelainō,エレクトラĒlektra,アステロペAsteropē,タユゲテTaygetē,マイアMaia(伝令神ヘルメスの母)の総称。彼女たちはその母とともにボイオティア地方の森の中で,狩人のオリオンに5年にわたって追われつづけたため,これを憐れんだゼウスが母娘も追手もともに天に上らせ,オリオンを犬を連れた狩人の星に,娘たちをそのオリオン星から逃れようとする7羽の鳩(古代ギリシア語でペレイアデスpeleiades)の星(和名は昴(すばる))に化したという。プレイアデスの名はのちにプトレマイオス2世(前3世紀)治下のアレクサンドリアに集まった多くの悲劇詩人のうち,リュコフロンらの特にすぐれた7人の称として用いられた。また16世紀のフランスのロンサール,デュ・ベレーら7人の詩人はプレイヤード(七星詩派)を結成した。
執筆者:水谷 智洋
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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プレイアデス
ぷれいあです
Pleiades
ギリシア神話のアトラスの7人の娘たち。そのなかにはヘルメスの母となるマイアや、シシフォスの母メロペがいる。彼女たちはボイオティアの狩人(かりゅうど)オリオンに追い回されて最初鳩(はと)と化したが、それを哀れんだゼウスによりさらに星になったという。プレイアデス(プレヤデス)は、もともとおうし座の「すばる」星団で、オリオン座の前を進むところからこの天文現象の説明として、オリオンに追われる鳩の群れ「ペレイアデス」の伝説が生まれたらしい。一説では、彼女たちは合唱と踊りの発明者であり、星と化した後は天界で歌い踊っているという。また、プレイアデスが天空に現れると春の初め、姿を消すと冬の初めとされていた。
[伊藤照夫]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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「プレイアデス」の意味・わかりやすい解説
プレイアデス
ギリシア神話のアトラスとプレイオネの7人の娘。すなわち,アルキュオネ,メロペ,ケライノ,エレクトラ,アステロペ,タユゲテ,マイア。狩人オリオンに追いかけられ,鳩となって天に上り,星(プレヤデス星団,和名すばる)となる。ヘレニズム期アレクサンドリアの七大詩人の称,16世紀フランスの詩派(プレイヤード)にもその名を残す。
→関連項目エレクトラ
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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プレイアデス
Pleiades
ギリシア神話で,プレアデス星団 (すばる) になったとされる美貌のニンフたち。アトラスとプレイオネの娘の7人姉妹で,そのなかの一人マイアはゼウスに愛され,ヘルメスの母となった。彼女たちはオリオンの求愛を免れるため,5年間この巨人に追われながら逃げ続け,しまいにはとに変ったところをゼウスが憐れみ,星にしてやった。しかし姉妹の一人のエレクトラだけは,自分の子孫であるトロイの王家の滅亡を悲しんで彗星になったので,すばる星は6つになったとされる。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内のプレイアデスの言及
【エレクトラ】より
…(1)大洋神オケアノスの娘で,にじの女神イリスと有翼の女怪ハルピュイアたちの母。(2)巨人神アトラスの娘で,オリオンに追われて星(すばる)になったプレイアデスのひとり。トロイア王家の始祖ダルダノスDardanosの母。…
【オリオン】より
…2人の仲を心配した兄神アポロンが妹のアルテミスをだまして,沖で遊泳中のオリオンを遠矢で殺させたとする説,オリオンがアルテミスを犯さんとしたため女神に射殺された,あるいは女神の放ったサソリに刺されて死んだとする説,さらには,オリオンは曙の女神エオスに恋人としてさらわれたが,それが他の神々の不興を招いたため,デロス島でアルテミスに射殺されたとする説等である。死後,彼は天に上げられて星となり,アトラスの七人娘[プレイアデス](すばる)を追いかける一方,みずからはつねにさそり座の星から逃れようとしているという。【水谷 智洋】。…
※「プレイアデス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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