プレーリー

精選版 日本国語大辞典 「プレーリー」の意味・読み・例文・類語

プレーリー

[1] (prairie) アメリカ合衆国テキサス州からカナダ中南部にかけて、グレートプレーンズ東側ミシシッピ川流域の中・北部にひろがる草原地帯。
[2] 〘名〙 (prairie) 一般に、草原地帯。

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デジタル大辞泉 「プレーリー」の意味・読み・例文・類語

プレーリー(Prairie)

北アメリカ大陸のミシシッピ川流域を中心として、カナダ南部から米国テキサス州に至る大草原。土壌が肥沃で、小麦・トウモロコシ綿花などが栽培される。

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百科事典マイペディア 「プレーリー」の意味・わかりやすい解説

プレーリー

米国中西部のロッキー山脈東麓からミシガン湖にかけて分布する草原地帯。ミシシッピ川流域の中部,北部にあたり東西約1000km,南北約2000km。気候は大陸的で,高温で雨量の多い夏に草本繁茂。昔はバイソン大群がすんでいたが,19世紀半ば以降,白人による入植で大農業地帯となった。
→関連項目アイオワ[州]ウィチタグレート・プレーンズコーン・ベルトステップ草原ネブラスカ[州]ノース・ダコタ[州]プレーリー土

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「プレーリー」の意味・わかりやすい解説

プレーリー
ぷれーりー
prairie

アメリカ合衆国の中部からカナダの一部にかけて、ミシシッピ川を中心に広がる広大な草原とその分布地域の名称。緩やかに起伏する波状地と、それを刻む樹枝状の谷からなり、東側は森林帯に、西側はグレート・プレーンズに接する。年降水量は北部で400ミリメートル前後、南部で800~1000ミリメートルと少ないが、春・夏に集中するため植物の生育には有利である。

 典型的なプレーリーは高さ2メートルにも達するイネ科の草本からなり、川沿い以外では樹木を欠いている。プレーリーには19世紀なかばまでバイソンの大群がすみ、インディアンがそれを狩って生活していた。しかし19世紀後半以降、アメリカ合衆国が経済的に発展し、鉄道網が建設されると、土壌がきわめて肥沃(ひよく)であったことも相まって、急速に農耕地化され、今日ではアメリカ合衆国一の農業地帯となった。おもな作物は北部が春小麦、中央部が冬小麦とトウモロコシ、南部が綿花である。ここの穀物はわが国へも食糧家畜飼料として大量に輸出されている。ただ1930年代以降、粗放な経営がたたって土壌侵食が激しくなり、農民は対策に苦慮している。

[小泉武栄]

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改訂新版 世界大百科事典 「プレーリー」の意味・わかりやすい解説

プレーリー
prairie

北アメリカ大陸中央部を,カナダからメキシコ湾岸にかけて南北に延びる大草原。ミシシッピ川の流域内にあり,東側は森林地帯,西側はグレート・プレーンズに接する。バイソンをはじめとする野生動物の宝庫であったが,肥沃な土壌にも恵まれ,白人による開発の進行にともない,小麦,トウモロコシ,綿花などを産する農業地帯へと変貌してきた。年降水量は300~1000mmで,自然発火により,樹木の生育は制限された。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プレーリー」の意味・わかりやすい解説

プレーリー
prairie

北アメリカ大陸の中部から西部に広がる広大な温帯草原。年降水量は 250~800mm。おもな植物はイネ科のハネガヤ,カモジグサ,ミノボロ,イチゴツナギ,ネズミノオ,エゾムギなど。降水量が多くなるにつれて草丈が高くなる。北アメリカ中部の真正プレーリー,その西のロッキー山脈東側の混合プレーリー,メキシコ湾に面する海岸プレーリー,ニューメキシコからアリゾナの砂漠プレーリー,太平洋岸のカリフォルニアプレーリー,北西部のパラウズプレーリーに区別される。バイソンとマタヅノカモシカがかつては大群をなしていたが,乱獲により激減し,カンガルーネズミなどのネズミ類,ノウサギ,コヨーテ,アナグマ,スカンクなどが生息する。現在は開拓され,ワタ,コムギ,トウモロコシなどの大規模な機械化農業が行われ,ウシ,ヒツジが放牧されている。

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デジタル大辞泉プラス 「プレーリー」の解説

プレーリー

日産自動車が1982年から1998年まで製造、販売していた乗用車。5ドアのミニバン。5、8人乗り。1998年のモデルチェンジの際にプレーリーリバティに改称された。

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世界大百科事典(旧版)内のプレーリーの言及

【草原】より

… このステップは,東西文明の伝播路として,古来,重要な役割を果たしてきた。
[プレーリーprairieとパンパpampa]
 北アメリカ中西部にはウシクサ属を中心としたイネ科草本が優占する温帯草原が広がり,プレーリーと呼ばれる。東側では降水量が多く,1m近くも厚く堆積する黒土をもち,草丈が2~3mに及ぶ高茎草原で,世界の一大農業地帯が発達している。…

【アメリカ】より

… 北アメリカはアラスカのツンドラからフロリダ半島の亜熱帯性の湿地帯まで,その環境はきわめて多様である。かつては中央部の大草原地帯(プレーリー)の雨量の比較的多い(年間約1000mm)草原の東部には,人間の背丈よりも高いイネ科の草が茂り,西へ行き雨量が少なく(年間500mm以下)なるにつれて,丈の低い草が密生していた。アメリカバイソンの大群と,独特な角をもつプロングホーンの群れが毎年移動して行ったこの大草原は,地下に複雑なトンネルを掘るプレーリードッグと,彼らを狩るクロアシイタチやソウゲンハヤブサの生活の場であり,コヨーテが徘徊し,ライチョウ類が奇妙な求愛の踊りを舞う舞台だった。…

【草原】より

… このステップは,東西文明の伝播路として,古来,重要な役割を果たしてきた。
[プレーリーprairieとパンパpampa]
 北アメリカ中西部にはウシクサ属を中心としたイネ科草本が優占する温帯草原が広がり,プレーリーと呼ばれる。東側では降水量が多く,1m近くも厚く堆積する黒土をもち,草丈が2~3mに及ぶ高茎草原で,世界の一大農業地帯が発達している。…

※「プレーリー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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