ベッカー(英語表記)Becker, Carl Lotus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ベッカー
Becker, Carl Lotus

[生]1873.9.7. アイオワ,ウォータールー近郊
[没]1945.4.10. ニューヨーク,イサカ
アメリカの歴史家。ウィスコンシン大学で F.ターナーに師事。 1917年以後コーネル大学で教鞭をとった。 C.ビアードやターナーとともに 20世紀前半のアメリカ革新主義史学を代表する歴史家。 18世紀のアメリカをおもな研究対象とし,アメリカ史の解釈に保守派対急進派の社会的対立の図式を導入し,また思想史を開拓した。主著『アメリカ独立革命前夜』 The Eve of the Revolution (1918) ,『独立宣言論』 Declaration of Independence (22) ,『18世紀思想史』 Heavenly City of the Eighteenth Century Philosopher (32) など。

ベッカー
Becker, Oskar

[生]1889.9.5. ライプチヒ
[没]1964.11.13. ボン
ドイツの哲学者,美学者。 1931年ボン大学教授。フッサールハイデガーの影響を受けた。数理哲学に解釈学的現象学の方法を導入し,数学的実存のあり方を考察した。哲学的には,存在範疇として実存に対して副次的実存を,超越に対して副次的超越の概念を提唱。美学的には,美の「はかなさ」の概念を現象学的に基礎づけた。主著『数学的実存』 Mathematische Existenz (1927) ,『美のはかなさと芸術家の冒険的性格について』 Von der Hinfälligkeit des Schön und der Abenteuerlichkeit des Künstlers (29) 。

ベッカー
Bekker, August Immanuel

[生]1785.5.21. ベルリン
[没]1871.6.7. ベルリン
ドイツの古典学者。ハレ大学で F.ウォルフに師事し,1810年ベルリン大学教授。 10~21年各国を旅行し,主としてギリシアの文献を研究,プラトン (3巻,1816~23) などの校訂本を出した。主著に『ギリシア逸話集』 Anecdota Graeca (14~21) 。

ベッカー
Bekker, Paul

[生]1882.9.11. ベルリン
[没]1937.3.7. ニューヨーク
ドイツの音楽批評家,指揮者。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のバイオリニストであったが,1906年から『ベルリン新報』『ベルリーナー・アルゲマイネ・ツァイトゥンク』,11年から『フランクフルト新聞』の音楽批評家として活躍。 25年よりカッセルの,また 27~32年ビースバーデンの劇場総監督をつとめたが,33年以後はニューヨークに移住。 G.マーラー,F.シュレーカー,A.シェーンベルク,E.クシェネックの擁護者。主著『ベートーベン』 (1911) ,『マーラーの交響曲』 (21) ,『形式変遷の歴史としての音楽史』 (26) 。

ベッカー
Becker,Gary S.

[生]1930.12.2. ペンシルバニア,ポッツビル
[没]2014.5.3. イリノイ,シカゴ
アメリカ合衆国の経済学者。フルネーム Gary Stanley Becker。1951年プリンストン大学を卒業。1955年シカゴ大学で博士号を取得,同大学助教授となって 1957年まで在職。その後コロンビア大学で教鞭をとり,1970年にシカゴ大学に戻って経済学の教授を務め,1983年から社会学の教授を兼務した。労働市場における人種差別は,差別される側だけでなく差別する側にも不利益となることを分析した博士論文『差別の経済学』The Economics of Discriminationで注目された。その後,非経済学的な分野において,「効用の最大化」を前提とした経済学の論理の枠内で人々の行動を合理的に説明した。『人的資本 教育を中心とした理論的・経験的分析』Human Capital(1964)で,教育を経済的な意思決定に基づくものとして取り上げ,労働経済学の領域に新しい理論を提示した。その後,犯罪と刑罰の関係を分析。『家族の研究』A Treatise on the Family(1981)では家庭を企業と同様にみなして分析。先進国における婚姻率の低下や離婚率の上昇,出生率の低下などは,女性の教育水準の向上と就業機会の拡大などに伴う,経済的動機に左右されると考えた。1985~2004年『ビジネス・ウィーク』誌のコラムニストとしても健筆をふるった。1992年,「経済学的な論理を,経済学が伝統的に取り扱ってきた分野を越えて,これまで社会学や犯罪学(→刑事学)などが対象としていた人間行動の一般にまで広めた」功績によりノーベル経済学賞を授与された。2000年ナショナル・メダル・オブ・サイエンスを受章,2007年大統領自由勲章を受章。

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世界大百科事典 第2版の解説

ベッカー【Carl Heinrich Becker】

1876‐1933
ドイツのイスラム研究者,政治家。ハンブルク植民地研究所およびボン大学の教授を経て,1916年にプロイセン文部省に入り,後に文部大臣として教育行政に携わった。イスラム研究者としては1910年刊の学術誌《イスラム》の創刊に関与し,《イスラム研究》2巻(1924‐32)の多くの論考において初期イスラムの社会・政治史的解釈を行った。ほかにイスラム期のエジプト史の研究がある。【矢島 文夫】

ベッカー【Carl Lotus Becker】

1873‐1945
アメリカの歴史学者。ウィスコンシン大学でF.J.ターナーの薫陶を受け,1909年博士論文《ニューヨーク植民地における政党史》を公刊,歴史学界に名を知られ,17年以来コーネル大学教授。22年刊行の《独立宣言――政治思想史の一研究》は,独立宣言研究の古典となったが,最近,アメリカ独立革命へのロックの影響を過大評価したと批判されている。ベッカーは,その流麗な文体で有名であり,またよき教育者でもあった。【斎藤 眞】

ベッカー【Oskar Becker】

1889‐1964
ドイツの哲学者。1931年以来ボン大学教授を務めた。フッサール,ついでハイデッガーの影響下に,数学を営む人間のあり方を究めようとしていたが,第2次大戦後は現象学をはなれ,おもに様相論理学および数理哲学の分野で活躍した。美学にも深く関与,現象学派時代の《美のはかなさと芸術家の冒険性》(1929)は,小論ながら美特有の存在性格を鮮やかに語り,あわせて芸術家の実存の危うさを鋭く解明した卓説である。【細井 雄介】

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367日誕生日大事典の解説

ベッカー

生年月日:1785年5月21日
ドイツの古典学者
1871年没

ベッカー

生年月日:1889年9月5日
ドイツの哲学者,美学者
1964年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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