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様相論理学 ようそうろんりがくmodal logic

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

様相論理学
ようそうろんりがく
modal logic

現代論理学の一分野。命題の真,偽だけにかかわる,従来のいわゆる二値論理学に対して,可能,必然,不可能などの「命題の様相」を導入し,これらの命題が演繹される公理系と推理規則を考え,それによって論理式を解釈しようとする。着想はアリストテレスにさかのぼり,13世紀の学者トマス・アクィナスが様相ということばを論理学に導入したが,近代論理学からは軽視されていた。これを体系化して新しい分野を開いたのはクラレンス・ルイスで 1930年代のこととされている。ポーランドの J.カウセウィチも別の出発点から様相論理学に到達した。一般に,様相概念(□必然,◇可能など)が二値論理学の記号(¬,∨,⊃など)と同等に用いられていること,命題が語られることばと命題に関して語ることばとの間に階層の違いを認めないこと,少数の様相概念が自明として前提され,他の様相概念がそれによって定義されることなどが,この論理学で共通している。

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世界大百科事典 第2版の解説

ようそうろんりがく【様相論理学 modal logic】

〈必然的〉〈可能的〉といった様相概念を形式的に取り扱う論理学。様相三段論法という形において,アリストテレスがすでに様相論理学の研究に手をそめていたことは注目に値する。その後,西洋古代,中世においても様相論理学はアリストテレスの伝統に基づいて,散発的ではあるが,研究されてきた。しかしながら,近代論理学の立場から様相論理学の研究を再開したのはアメリカの論理学者C.I.ルイスであった。そして,近代的様相論理学の基本的構造はルイスによって決定されたのである。

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大辞林 第三版の解説

ようそうろんりがく【様相論理学】

可能・必然などの様相概念を扱う論理学。アリストテレスに萌芽が見られるが、二〇世紀に入ってルイスによって形式化された。その後、可能世界を導入した意味論が体系化されるに至り、現代の分析哲学の展開に大きな影響を及ぼした。 → 多値論理学

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

様相論理学
ようそうろんりがく
modal logic英語
modale Logikドイツ語

「可能」「必然」などの、様相に言及することばの入った命題によって組み立てられた論証の構造を研究する論理学。すでにアリストテレスに、このような論証についてのかなり詳しい研究がみられる。20世紀前半にルイスとラングフォードにより、記号を用いた様相論理学の公理系がいくつか提出されて以来、現代論理学の手法による様相論理学の研究が盛んになった。未来のことについては、排中律が成立しないという考え方があるが、これは未来がまだ可能性の世界だとすることに基づく。これからも察せられるように、様相論理学と多値論理学とが結び付くとする考え方もある。あるいは量子論理と様相論理学とが近いとする考え方もあり、ブール値モデルにより、これらの論理学を統合して集合論に吸収しようとするやり方もある。一方、様相概念にまつわる哲学的な困難を指摘し、様相論理学自体にも批判的である、クワインのような哲学者もいる。[吉田夏彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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