ベーリング(Emil Adolf von Behring)(読み)べーりんぐ(英語表記)Emil Adolf von Behring

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ベーリング(Emil Adolf von Behring)
べーりんぐ
Emil Adolf von Behring
(1854―1917)

ドイツの細菌学者。プロシアのハンスドルフ(現、ポーランド)生まれ。1874年ベルリンの陸軍軍医学校に入り、1878年学位を取得。軍務に従ったのち、1888年陸軍医学校教官、翌1889年ベルリン大学のコッホの研究室の助手となる。同じ研究室の北里柴三郎(きたさとしばさぶろう)と共同して破傷風菌の純培養、ついで破傷風抗毒素血清の単離に成功(1890)、さらにジフテリア血清療法についても発表した。この血清療法は免疫学の発展に大きく貢献するものであり、その業績に対し1901年第1回ノーベル医学生理学賞が授与された。1891年コッホとともに伝染病研究所に移り、1894年ハレ大学、翌1895年マールブルク大学の教授となった。

藤野恒三郎

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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