ペルソナ・ノン・グラータ(読み)ぺるそなのんぐらーた(英語表記)persona non grata ラテン語

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ペルソナ・ノン・グラータ
ぺるそなのんぐらーた
persona non grata ラテン語

外交使節を交換している国家間で、接受国が、派遣国に対し、外交使節団の構成員(外交使節および職員)である特定の者の受け入れ、滞在拒否する通告。「好ましくない人」の意味。接受国は、いつでも、理由を示さないで、使節の派遣国に対し、特定の外交官がペルソナ・ノン・グラータであると通告することができる(外交関係に関するウィーン条約9条の1)。この通告を受けた派遣国は、その者を召還するか、その者の任務を終了させなければならない。ペルソナ・ノン・グラータの意思表示は、任務地の領域に入る前からいつでも可能である。また、使節団の外交官以外の職員および領事についても同様の制度がある。

[広部和也]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ペルソナ・ノン・グラータ
persona non grata

好ましくない人の意。国際法上,外交使節団の長 (大使) のアグレマンを求められた国は,自国にとって好ましくない人物と判断した場合,理由を示さず派遣を拒否できる。着任後好ましくない人物であることが判明した場合にも,同様に理由を示すことなく単にペルソナ・ノン・グラータであるとして退去または任務の終了を求めることができる。外交使節団の職員や領事とその職員にも同様の制度がある。実際の拒否の理由としては,言論や行動で派遣国に敵意を示す場合および犯罪を犯した場合などが考えられる。

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デジタル大辞泉プラス の解説

ペルソナ・ノン・グラータ

夏樹静子のミステリー短編集。1989年刊行。

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