日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホルトソウ」の意味・わかりやすい解説
ホルトソウ
ほるとそう
caper spurge
[学] Euphorbia lathyris L.
トウダイグサ科(APG分類:トウダイグサ科)の二年草。地中海地域、西南アジア原産で、日本には天文(てんぶん)年間(1532~1555)に渡来した。茎は円柱形で直立し、高さ1~1.5メートル、無毛、暗緑色で白粉を帯びる。茎は強く、1年目は葉を多くつけるが、2年目には下部の葉が落ちる。葉は全縁で葉柄がなく、十字対生し、下面は蒼白(そうはく)色。茎の下部の葉は線形で先は丸く、上部の葉は長卵形で先は鋭くとがる。花がつく節のところで対生する葉状のものは総包で、花のようにみえるのは花序である。花序は壺(つぼ)状の小総包に包まれ、その中に1個の雄蕊(ゆうずい)(雄しべ)からなる多数の雄花と、1個の雌蕊(雌しべ)からなる一つの雌花があり、夏に開花する。小総包は短い2本の角をもち、その先は淡黄色の腺体(せんたい)となる。蒴果(さくか)は球形で、径10ミリメートル、高さ8~12ミリメートルで3稜(りょう)をもつ。種子は大きな卵球形で、長さ5ミリメートル、幅3.5ミリメートル。
[長沢元夫 2020年6月23日]