ホルマリン
ほるまりん
formalin
ホルムアルデヒドの水溶液で、日本薬局方ではホルムアルデヒドを35~38%含み、重合を避けるためにメタノール(メチルアルコール)を5~13%添加したものをいう。代表的な消毒剤の一つで、医療用器具・物品、病室などの消毒にホルマリン水またはホルマリンガスとして使用される。また、多汗症や腋臭(えきしゅう)症(わきが)の止汗や臭気除去には40~70倍の水またはエタノール(エチルアルコール)溶液を1日数回塗布する。トキソイドをつくるときに細菌毒素の無毒化にも使われる。
[幸保文治]
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ホルマリン
formalin
ホルムアルデヒドの 37%水溶液。重合を防止し,ホルムアルデヒドの溶解性を増す目的で,10~15%のメチルアルコールが添加されている。熱して水分を蒸発させるとパラホルムアルデヒドという白色の固体を生じる。これを加熱気化させると,もとのホルムアルデヒドに戻る。防腐消毒薬として器具,家具などの消毒に用いられる。また皮革のなめし,顕微鏡標本用動物組織の固定液などの用途もある。劇薬である。
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ホルマリン
ホルマリン
formalin
ホルムアルデヒドを37%(±0.5%)含む水溶液.重合を防ぐために8~12% のメタノールが添加してある.水溶液中のホルムアルデヒド分子はいくつか会合した状態で溶解している.メタノールを含まない37% 溶液の代表的性質は,強い刺激臭をもつ無色,透明な溶液.沸点101 ℃.
1.1119.引火点85 ℃.pH 約3.0.防腐剤,消毒剤として使われるほかはホルムアルデヒドと同じ.
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ホルマリン
〘名〙 (Formalin formalin) ホルムアルデヒド三五~三八パーセントの水溶液。溶解性を高め重合を防止するためにメチルアルコール五~一三パーセントを含む。防腐剤、消毒薬に用いる。
※風俗画報‐二二七号(1901)災異門「消毒用ホルマリン洋燈にメチュール、アルコールを注入して」
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ホルマリン
ホルムアルデヒド(HCHO)の水溶液.殺菌や工業原料に用いられる.
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ホルマリン【formalin】
ホルムアルデヒドを水に溶解したもので,日本薬局方によれば含量は35.0~38.0%であり,重合を避けるためにメチルアルコールを5~13%加えてある。外国の局方にはメチルアルコールの量は規定されていない。防腐用,消毒殺菌用に使われ,細菌,ウイルス,芽胞,カビなど多くの微生物に作用して生活力を奪う。器具などの消毒用には1%液が用いられるが,作用温度を20℃以上にしないと,効果は急速に低下する。また細菌の産生する毒素と結合してトキソイドとする作用がある。
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世界大百科事典内のホルマリンの言及
【殺菌剤】より
…アルコールと混和して使用することがすすめられている。(7)ホルマリン ホルマリンはホルムアルデヒドの水溶液であるが,芽胞を含むほとんどすべての微生物を不活化する。作用温度の低下により殺菌効力は極端に低くなるので,少なくとも30℃以上で作用させなければならない。…
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