ホロ島(読み)ホロトウ(英語表記)Jolo Island

デジタル大辞泉 「ホロ島」の意味・読み・例文・類語

ホロ‐とう〔‐タウ〕【ホロ島】

Jolo Island》フィリピン南西部スールー諸島の主島。スールー州に属し、州都ホロがある。15世紀頃にイスラム教国スールー王国の都が置かれ、海上交易拠点として栄えた。タウスグ人が多く居住する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホロ島」の意味・わかりやすい解説

ホロ島
ほろとう
Jolo Island

フィリピン南西部、スル諸島(人口54万、2000)の主島。面積894平方キロメートル。火山岩からなり、3条の並行した山脈が島を貫く。近海には多くの属島が散在する。住民のほとんどはイスラム教徒のタウスグ人で、農業や水産業に従事している。中心地のホロ(人口8万7998、2000)は古くから海上交通商業の拠点として栄え、大麻(たいま)、コプラ木材などを輸出するとともに、真珠採取の基地となっている。

[別技篤彦]

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改訂新版 世界大百科事典 「ホロ島」の意味・わかりやすい解説

ホロ[島]
Jolo Island

フィリピン南部のスールー諸島中,バシラン島に次ぐ大きい島。面積893km2。西部のトゥマタンガス山(標高812m)を最高峰としていたるところに円錐形の小火山がそびえる。半農半漁のタウソグ人を中心に,海岸部には海上生活を得意とするサマール人が住み,古くからスールー海域の政治,交易の中心地であった。マニラの支配下に入ったのは20世紀になってからである。周辺の島々と一緒にスールー州を構成し,島の北西岸のホロ町が州都(人口5万2429。1980)。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホロ島」の意味・わかりやすい解説

ホロ島
ホロとう
Jolo Island

フィリピン南西部,スル諸島の主島。周辺の島とともにスル州を構成している。小火山がいくつかそびえ,最高峰はトゥマタンガス山 (812m) 。 14世紀にイスラム教が広まり,住民はスペイン,アメリカの植民に強硬に抵抗し,独自の文化を保っている。スル諸島のなかでは例外的に農業が盛んで,タピオカ,米,トウモロコシ,コプラ,果実を産する。水産資源に恵まれ,魚介類のほか天然真珠,クロサンゴなどを特産。州都は北西岸の港町ホロ。面積 894km2

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世界大百科事典(旧版)内のホロ島の言及

【スールー[諸島]】より

…フィリピン南部,ミンダナオ島とボルネオ島の間に散らばる島々。バシラン,サマレス,ホロ,タプル,パングタラン,タウィタウィ,シブトゥ,それにカガヤン・スールーを加えた8群島からなる。火山性の比較的大きい島からサンゴ礁まで大小合わせて958島を数えるが,2.6km2以上のものは78島にすぎない。…

【スールー王国】より

…フィリピン南部のスールー諸島に形成されたイスラム王国。スールー諸島の中心地,ホロ島では13世紀末ごろから外来商人のイスラム・コミュニティが形成されていたが,島の原住民にイスラムが普及したのは,15世紀中ごろのことであった。このころスマトラ島から渡来したアラブ人アブー・バクルが島の内陸部住民をも改宗させて,ホロ島全体にスルタン制度を樹立した。…

※「ホロ島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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