タピオカ(読み)たぴおか(その他表記)tapioca

翻訳|tapioca

デジタル大辞泉 「タピオカ」の意味・読み・例文・類語

タピオカ(〈スペイン〉・〈ポルトガル〉tapioca)

キャッサバ根茎からとったでんぷん。根茎をすりつぶして水に放ち、水中沈殿したでんぷんを得る。何回か水をかえ、沈殿をくり返すことによって、根茎に含まれる有毒なシアン酸を除去する。食用

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精選版 日本国語大辞典 「タピオカ」の意味・読み・例文・類語

タピオカ

  1. 〘 名詞 〙 ( [スペイン語ポルトガル語] tapioca ) 植物「キャッサバ」の異名。また、その根茎から採った澱粉。良質だが有毒なシアン酸を含有するので水洗いをくり返して取り除く。熱帯ではサツマイモに次いで重要な澱粉食料。〔薬品名彙(1873)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「タピオカ」の意味・わかりやすい解説

タピオカ
たぴおか
tapioca

キャッサバの根塊からとったデンプン。キャッサバデンプン、マニオカデンプンともいう。キャッサバは東南アジアアフリカ、ブラジルなど熱帯地方では主食に近い重要な資源となっている。タピオカの製造は、まず原料のキャッサバを水洗後、摩砕機ですりつぶし、水中にデンプンを洗い出し、沈殿させて集める。このデンプンを、水をかえながら沈殿を繰り返すか、遠心機にかけるなどして精製し、脱水後乾燥する。キャッサバの根塊には有毒成分の青酸が含まれているが、水浸、加熱、乾燥などにより除去される。このようにして純白で不純物の少ないタピオカが得られる。タピオカにはいくつかの加工品がある。タピオカパールは、湿った状態のタピオカを径3~6ミリメートルの球形につくり、加熱して表面だけを糊化(こか)したもので、さらに小さい球形にしたものはタピオカシードという。タピオカフレークは切片状に乾かしたもの、タピオカフラワーは微細粉にしたものである。タピオカは煮ると透明な糊(のり)状となり、消化吸収もたいへんよいので、牛乳砂糖などを加え、病人食や朝食として用いられる。タピオカプディングなどデザートにも用いる。工業用としては、糊料接着剤に利用される。

[河野友美・山口米子]


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改訂新版 世界大百科事典 「タピオカ」の意味・わかりやすい解説

タピオカ
tapioca

キャッサバの塊根からつくるデンプン。粒子が大きくて精製しやすく,糖化力その他すぐれた点も多く,利用範囲の広い良質なデンプンとされる。南アメリカ,アフリカ,東南アジアなどの広い地域で生産され,主食として利用している国も多い。日本では第2次大戦後の食糧危機のさい,輸入食糧第1号としてフィリピン産のタピオカ417tが放出されたことがあり,現在ではおもにタイから輸入したものを紡績・製紙・食品工業で用いている。紡績面では糊料(こりよう)として高級織物の染色や和傘の製造に用い,製紙面では紙の表面加工や段ボール用ののりとされる。食品面では水あめ,菓子類などのほか化学調味料の原料として重要である。また,医薬品などとしてはビタミンC,ブドウ糖,アルコール,その他錠剤,粉剤の増量成型材として使われる。料理にはタピオカパールと呼ばれる高級品が用いられており,ゆでてスープの浮実にするほか,鶏卵,牛乳,砂糖などを加えてタピオカプディングをつくり,デザートなどにする。
キャッサバ
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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「タピオカ」の解説

タピオカ【tapioca】

キャッサバの地下茎からとれるでんぷん。アフリカなどに主食とする地域もある。粉のほか粒状に加工したものなどがある。◇「タピオカでんぷん」ともいう。粒状に加工したものは「タピオカパール」ともいう。中国料理の甘い点心にはタピオカパールをココナッツミルクに入れたものがあり、東南アジアにも同様の菓子がある。また大粒の黒いタピオカパールをアイスミルクティーに入れ、太いストローを使って飲む台湾発祥の飲み物「タピオカミルクティー」が知られる。

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百科事典マイペディア 「タピオカ」の意味・わかりやすい解説

タピオカ

キャッサバの塊根から作るデンプン。塊根には青酸を含むので,すりつぶしたあと水洗と加熱乾燥を何回も行って精製する。熱帯地方では原住民の主食とされ,水あめ,ブドウ糖の原料,織物用の糊料などにも使われる。

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栄養・生化学辞典 「タピオカ」の解説

タピオカ

 →タピオカデンプン

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タピオカ」の意味・わかりやすい解説

タピオカ

「キャッサバ」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のタピオカの言及

【キャッサバ】より

…和名はイモノキ。キャッサバというのが一般的だが,地域によってはマニオクmanioc,タピオカtapiocaとも呼ばれ,その名が日本名としても使われることがある。
[形状]
 白色の乳液を有する草本状の低木で高さは3mに達し,上部でよく分枝する。…

【キャッサバ】より

…和名はイモノキ。キャッサバというのが一般的だが,地域によってはマニオクmanioc,タピオカtapiocaとも呼ばれ,その名が日本名としても使われることがある。
[形状]
 白色の乳液を有する草本状の低木で高さは3mに達し,上部でよく分枝する。…

※「タピオカ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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