イギリスの地質学者。ニューカッスル・アポン・タインに近いヘッバーンに生まれる。ロンドン大学インペリアル・カレッジ卒業後、ダラム大学教授、エジンバラ大学教授を歴任した。1914年、地球年齢の推定に鉛同位体比を利用することを考察し、放射年代学を創始した。また、大陸移動説の説明としてマントル対流説を提唱し、プレートテクトニクスの先駆者となった。火成岩および変成岩の岩石学においても、数々の業績を残した。主著『一般地質学』(1944)は、地球科学のあらゆる分野の人々に愛読され、高い評価を受けている。
[橋本光男]
アメリカの同姓同名の医師・随筆家(1809―1894)の子で、著名な法律家。ハーバード大学卒業(1861)、南北戦争(1861~1865)に参戦、のちに弁護士となった(1867)。『アメリカン・ロー・レビュー』誌の編集(1870~1878)等に携わり、『コモン・ロー』(1881)という著作のなかで自己の思想を体系化した。ハーバード大学で法律学を講じた(1882.9~12)のち、マサチューセッツ最高裁の判事(1882~1899)、同長官(1899~1902)を歴任、1902年には合衆国最高裁の判事に任命され、1932年まで活躍した。裁判官としては、アメリカの歴史に残る数々の判決のなかで合衆国最高裁の保守的な態度を批判し、自己の意見を堂々と述べたので、「偉大な少数意見者」との異名をとった。しかし、彼の少数意見のなかにはのちに多数意見として影響力をもつに至ったものも少なくない。著書としては、前掲のほか、『法律論文集』(1920)などがある。
[堀部政男]
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