ボーヌ(読み)ぼーぬ(英語表記)Bône

デジタル大辞泉 「ボーヌ」の意味・読み・例文・類語

ボーヌ(Beaune)

フランス中東部、コート‐ドール県の都市同県の副県都。ブルゴーニュワイン集散地。1443年に建てられたオテルディユ(施療院)で、毎年11月に行われるワインのオークションが世界的に知られる。

ボーヌ(Bône)

アルジェリア北東部の都市アンナバ旧称

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改訂新版 世界大百科事典 「ボーヌ」の意味・わかりやすい解説

ボーヌ
Beaune

フランス中東部,ブルゴーニュ地方の小都市。人口2万0207(1982)。ディジョン南西約40kmに位置する。前1世紀中葉ローマ人によって建設された。1203年自治都市となったが,27年ブルゴーニュ公国領となった。バロア家4代の公がとだえると,国王ルイ11世に反旗を翻したが,1478年王領地に編入された。現在はブドウ酒の集荷地としても有名で,毎年11月に開かれるブルゴーニュ・ワインの競売会には世界各地から商人が集まってくる。
執筆者:

〈神の館〉の意で,1443年ブルゴーニュ公国の大法官ロランNicolas Rolin(1376-1461)が貧しい病人を収容するためにボーヌに創建した慈善病院。いわゆるブルゴーニュ・フランドル様式のゴシック建築である。多色のスレートが幾何学文様を描く大屋根に,天窓風見小尖塔,鉛の飾細工が優雅なシルエットを浮かび上がらせている。かつては,多数の病人を収容する大広間に続く礼拝堂に,フランドルの画家R.ファン・デル・ウェイデンの《最後審判》の祭壇画が置かれ(現在は別室に展示),病人は寝たままその画面に向かって祈ることができた。この祭壇画外側には寄進者ロラン夫妻の肖像がある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボーヌ」の意味・わかりやすい解説

ボーヌ
Beaune

フランス中東部,コートドール県の町。「黄金の屋根」と呼ばれるコートドール丘陵の東麓,ディジョンの南南西約 40kmに位置する。ガロ・ローマ時代からのブルゴーニュワイン(→ワイン)生産の中心地で,ブドウ栽培やワイン生産に関する職業訓練センターがある。最も特色ある建築物は,フラマン風の彩色瓦の屋根をもつボーヌ施療院(1443)で,ロヒール・ファン・デル・ワイデンの有名な祭壇画『最後の審判』がある。ロマネスク様式のノートルダム聖堂(12世紀)にはタペストリーの収集があり,聖ニコラ教会,ワイン博物館となったブルゴーニュ公の城館などがある。円形の町の一部はいまも中世の城壁に囲まれている。毎年 11月にはワイン祭り「栄光の3日間」が開催され,多くの観光客が訪れる。2015年,ワインの生産地としてディジョンとともに世界遺産の文化遺産に登録された(→ブルゴーニュ)。人口 2万1300(2005推計)。

ボーヌ

「アナバ」のページをご覧ください。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボーヌ」の意味・わかりやすい解説

ボーヌ(フランス)
ぼーぬ
Beaune

フランス中東部、コート・ドール県の副県都。ディジョンの南南西38キロメートルにある。人口2万1923(1999)。ブルゴーニュワインの集散地。城壁に囲まれた環状都市で、1443年に建てられた施療院(オテル・ディユ)で毎年秋に行われるワインのオークションは有名。ロマネスク様式のノートル・ダム教会、ワイン博物館となっているブルゴーニュ公爵の館(やかた)などがあり、観光地ともなっている。電気、機械などの工業がある。

[大嶽幸彦]



ボーヌ(アルジェリア)
ぼーぬ
Bône

北アフリカ、アルジェリアの地中海沿岸東部にある都市アンナバの旧称。

[編集部]

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百科事典マイペディア 「ボーヌ」の意味・わかりやすい解説

ボーヌ

アンナバ

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