ボーンチャイナ(英語表記)bone china

翻訳|bone china

デジタル大辞泉 「ボーンチャイナ」の意味・読み・例文・類語

ボーン‐チャイナ(bone china)

骨灰磁土を混ぜて焼成した半透明乳白色磁器。古くから英国で発達した。骨灰磁器

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精選版 日本国語大辞典 「ボーンチャイナ」の意味・読み・例文・類語

ボーン‐チャイナ

〘名〙 (bone china) 骨灰と磁土を混ぜて焼成した乳白色軟磁器。透光性にすぐれる。古くから英国で発達した。骨灰磁器。
※橋づくし(1956)〈三島由紀夫〉「写真を、ボーンチャイナ白地花瓶に焼付させたのが」

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改訂新版 世界大百科事典 「ボーンチャイナ」の意味・わかりやすい解説

ボーン・チャイナ
bone china

骨灰磁器。動物,おもに牛の骨灰を磁土やカオリンと混ぜて焼成したイギリス独特の磁器。1748年ボウ窯のフライThomas Frye(1710-62)がはじめて骨灰を使用した磁器の特許をとったとされている。その後1800年ころにストーク・オン・トレントのスポードJosiah Spode(1754-1827)が骨灰と磁土を混ぜあわせ,これに鉛釉をかけることによって透明な白色の磁器を焼成した。この成功以来,イギリスの代表的な磁器として今日に至るまで広く用いられている。骨灰磁器は硬質磁器に比べて柔らかみがあり,焼成温度も低く,また白土とガラスを合成した軟質磁器よりも製作費が安価であるところからディナー・セットなどの上質の食器として一般に広く使用されている。
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食器・調理器具がわかる辞典 「ボーンチャイナ」の解説

ボーンチャイナ【bone china】

骨灰(こっぱい)(動物の骨の脂肪などを脱してから焼いて作った灰。ボーンチャイナには、普通、牛の骨を用いる)を混ぜた素地(きじ)をやや低温で焼成して作る軟質磁器。透光性のある白色でやわらかな風合いを持ち、彩色がしやすく美術工芸品に向く。中国で作られていた磁器を模倣してヨーロッパで製法の開発が行われた際、イギリスでは、美しい白色を出すのに不可欠なカオリンという粘土が入手困難だったため、18世紀半ばに骨灰を代用して発明された。各国で規格があり、日本工業規格(JIS)にも定められている。◇「骨灰磁器」ともいう。

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化学辞典 第2版 「ボーンチャイナ」の解説

ボーンチャイナ
ボーンチャイナ
bone china

硬磁器と人工的につくった融剤を加えてつくる軟磁器との中間に位置する軟磁器.18世紀にイギリスで発明された.精陶器や精せっ器素地に骨灰を加えて透光性にした磁器.おおよその組成は,リン酸カルシウムが主成分のか焼した動物の骨45~50%,カオリン20~25%,風化花こう岩 25~30% である.なお,定義は国によって異なるが,ブリュッセル関税率表による規格では骨灰含有量の規定はないが,イギリスではリン酸塩として最低30%,アメリカでは骨灰として少なくとも25% を含むとなっている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボーンチャイナ」の意味・わかりやすい解説

ボーンチャイナ
bone china

磁器の一種。精製陶土とストーンウェア用素地に動物の骨灰を加えたものを原材料とする。硬質磁器,軟質磁器の中間に位置し,骨灰による透光性をもつ。 1750年にイギリスのボー窯で J.スポウド2世によって初めて作られた。

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世界大百科事典(旧版)内のボーンチャイナの言及

【釉】より

…ヨーロッパにおける磁器の焼成は1709年ドレスデンのベットガーによって始められ,これと前後して他のヨーロッパ諸国でもこぞって磁器焼成が試みられた。スペインではフリット磁器,フランスではケイ砂,セッコウ,ソーダを溶融し,これに石灰と粘土を加えた,いわゆる軟質磁器,イギリスでは18世紀末に動物の骨灰を混ぜたボーン・チャイナがつくり出された。これらの釉も素地の成分に応じて石灰釉や長石釉などさまざまな磁器釉が用いられている。…

※「ボーンチャイナ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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