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ポリスチレン polystyrene

翻訳|polystyrene

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ポリスチレン
polystyrene

スチレンの重合体スチレンラジカル重合でもイオン重合でも重合体を生成するが,工業的にはラジカル重合によって,主として塊状重合懸濁重合で製造されている。ポリスチレンは透明で硬く,電気絶縁性がすぐれ,成形が容易であるため,大部分が家庭電気製品として用いられている。懸濁重合で得られるビーズに発泡剤を加えてつくられる発泡ポリスチレンは,包装用パッキング剤,保温剤として用いられる。また衝撃に弱い欠点があるので,ゴムと混合して耐衝撃性ポリスチレンとして使用されることも多い。また,ABS樹脂など共重合体としても使用されている。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

ポリスチレン

海洋の漂流ごみは世界全体で年600万~700万トン発生しているとされる。大きな比率を占める発泡スチロールは、ポリスチレンから作られる。ポリスチレンはスチレンモノマー(SM)の分子が鎖状に結合した構造で、劣化すると2~数個のSMがつながったスチレンオリゴマー(SO)が発生する。SOの環境基準はないが、世界保健機関(WHO)はSMについて動物実験の結果から人体に影響が及ばない値を推定し、飲料水1リットル中に0・02ミリグラム(20ppbに相当)とする基準値案を示している。

(2013-09-07 朝日新聞 夕刊 1社会)

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百科事典マイペディアの解説

ポリスチレン

ポリスチロールとも。スチレンを重合して得られる最も代表的な熱可塑性樹脂。スチレンの単独重合物は衝撃に弱いので,これを改善するためにゴム成分を配合するなどしたものは耐衝撃性ポリスチレン(ハイインパクトポリスチレン)という。
→関連項目ABS樹脂スチレン

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世界大百科事典 第2版の解説

ポリスチレン【polystyrene】

スチレンを重合して得られる代表的な汎用熱可塑性樹脂。スチレン樹脂styrene resin,ポリスチロールpolystyrolとも呼ばれる。スチレンおよびポリスチレンの発見は,1836年のドイツのシモンE.Simonにさかのぼるが,工業化はまずスチレン・ブタジエンゴム(ブナS)として1933年に,ポリスチレン成形品としては35年に,ドイツのイーゲー・ファルベン社で始まった。成形品が広く一般に用いられるようになったのは第2次大戦後のことである。

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大辞林 第三版の解説

ポリスチレン【polystyrene】

スチレンの付加重合により得られる高分子化合物。無色透明の熱可塑性樹脂で熱や電気の絶縁性が高い。種々に成型しプラスチック製品として、また泡状にしたものは発泡スチロールと呼ばれ、断熱材・包装剤として広く用いられる。また、ジビニルベンゼンで橋架けしてからスルホン化すると、陽イオン交換樹脂ができる。スチロール樹脂。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ポリスチレン
ぽりすちれん
polystyrene

ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルとともに四大プラスチックの一つ。スチレン樹脂、スチロール樹脂、ポリスチロールともよばれる無色透明の熱可塑性樹脂。スチレンC6H5CH=CH2の懸濁重合で平均分子量7万~10万程度の粒状のものが市販されている。安価で汎用(はんよう)性に富み、多量に生産されている(2002年の日本の生産量約184万トンで、ポリ塩化ビニルの約223万トンに次ぐ)。
 ポリスチレンは耐水性、高周波絶縁性に優れ、酸やアルカリに強いが炭化水素やケトン系の溶媒に弱い。軟化点90℃ぐらいで射出成形が容易。着色も自由であるがもろいという欠点をもっている。このもろさを改良した耐衝撃性ポリスチレン(ハイインパクトポリスチレン)やABS樹脂がつくられている。前者はポリスチレンにブタジエン・スチレン共重合物のSBR(スチレン・ブタジエンゴム)をブレンドしたもので、SBRの添加量によってポリスチレンのもろさは改良されるが、ゴムの性質が現れてくる。ブレンドのように混合でなく、共重合させた改良法がABS樹脂で、これはアクリロニトリル・ブタジエン・スチレンの三成分系の共重合物や混合物である。ポリスチレンの耐衝撃性の向上のほかに、アクリロニトリルの特性が加わり、各物性のバランスのとれたエンジニアリング・プラスチックとして広い用途をもつ。さらに合成木材としても用いられる。低発泡による木材代用品で木目模様をつけて適当に着色される。また、耐熱性向上のためにα(アルファ)-メチルスチレン、無水マレイン酸との共重合も行われ、これは耐熱性ポリスチレンとよばれる。[垣内 弘]

発泡ポリスチレンpolystyrene foam

ポリスチレンの用途が伸びているものに発泡ポリスチレン(発泡スチロール樹脂)がある。これは、ポリスチレンに発泡剤として低級炭化水素を混ぜてスポンジにした粒子を、100℃ぐらいで押し固めて板にする。断熱材としてコルクのかわりに、また鮮魚のトロ箱、商品包装の詰め物、特殊な用途として鋳物工場で中子(なかご)のかわりに使われる。[垣内 弘]
『R. J. Ehrig編著、プラスチックリサイクリング研究会訳『プラスチックリサイクリング――回収から再生まで』(1993・工業調査会) ▽佐伯康治・尾見信三著『新ポリマー製造プロセス』(1994・工業調査会) ▽久布白謙三著『技術とビジネスの基礎知識 発泡ポリスチレンのすべて』(1995・マーテック) ▽農林水産省食品流通局市場課監修『発泡スチロール再生利用マニュアル――卸売市場環境対策事業報告書』(1995・ぎょうせい) ▽井手文雄著『実用ポリマーアロイ設計』(1996・工業調査会) ▽小松公栄ほか著『メタロセン触媒でつくる新ポリマー――新製品の開発・生産性の向上』(1999・工業調査会)』

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