コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

マクスウェル‐ボルツマン統計 Maxwell-Boltzmann statistics

2件 の用語解説(マクスウェル‐ボルツマン統計の意味・用語解説を検索)

法則の辞典の解説

マクスウェル‐ボルツマン統計【Maxwell-Boltzmann statistics】

量子化されていない系の粒子数分布を与える統計.量子化された系ならばボース‐アインシュタイン統計*フェルミ‐ディラック統計*のいずれかに属さなければならないが,古典的極限ではどちらもマクスウェルボルツマン統計に従う.単にボルツマン統計*と呼ぶこともある.

出典|朝倉書店
Copyright (C) 2009 Asakura Publishing Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マクスウェル‐ボルツマン統計
まくすうぇるぼるつまんとうけい
Maxwell-Boltzmann statistics

多数の粒子の運動を統計的に扱って、その系の性質を表現する方法の一つ。古典力学のように、粒子が互いに識別できると仮定した場合をマクスウェル‐ボルツマン統計という。粒子間の相互作用が非常に小さいとみなせるならば、N粒子からなる系は、それぞれの粒子がどの1粒子状態にいるかによって指定できる。この場合に、系が絶対温度Tの熱浴(物体と接触して熱のやりとりをする外界)に接しているとして統計力学的に扱うと、一つの粒子がj番目の状態(エネルギーεj)をとる確率は
  exp[-εj/kT]
に比例することが導かれる。kはボルツマン定数である。この式が示すように、エネルギーの高い状態の確率は低いが、温度が高くなるとその確率は増す。フェルミ分布関数やボース分布関数から出発しても、高温または低密度の極限(またはh→0の極限、hはプランク定数)ではこの分布に近づくことが示される。
 高温または低密度の気体は真空中を飛び回る膨大な数の分子からできており、それらの速度はさまざまである。のように速度の3成分を座標軸にとった「速度空間」を考えると、各分子の状態はその中の1点で表される。この速度空間には、分子と同数の点が分布することになる。個々の分子は衝突で速度をめまぐるしく変えるが、熱平衡状態ではのような点の分布は定常的で変化しないと考えられる。マクスウェルとボルツマンはこの分布を調べ、絶対温度がTの気体の場合、分布の密度は

に比例することを導き出した(mは分子の質量)。これをマクスウェル(またはマクスウェル‐ボルツマン)の速度分布則という。上の式のεjのところに、分子の運動エネルギーが入った形になっている。[小形正男]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

マクスウェル‐ボルツマン統計の関連キーワード光量子磁気量子数指数分布主量子数スピン量子数方位量子数量子数スピン磁気量子数エーレンフェストの断熱法則マクスウェル‐ボルツマンの速度分布則

今日のキーワード

カルテット

四重唱および四重奏。重唱,重奏の形態のなかで最も基本的なもので,声楽ではルネサンスの多声歌曲の形式であるシャンソンやフロットラから始り長い歴史をもつ。器楽も同様で,特に弦楽四重奏は室内楽の全レパートリ...

続きを読む

コトバンク for iPhone