マズルカ(その他表記)mazurka

翻訳|mazurka

デジタル大辞泉 「マズルカ」の意味・読み・例文・類語

マズルカ(〈ポーランド〉mazurka)

ポーランド農民から起こった舞踊および舞曲三拍子で第2拍または第3拍にアクセントをもつ。

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精選版 日本国語大辞典 「マズルカ」の意味・読み・例文・類語

マズルカ

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Mazurka ) 舞曲の一つ四分の三拍子で、ポーランドの古い農民の踊りから起こった。ショパンのピアノ曲のマズルカは有名ポーランド語マズレク
    1. [初出の実例]「その躍の種類はボルカ、マジュルカ、スコチシ、カドリユ、ワルス等にして」(出典:仏国風俗問答(1901)〈池辺義象〉舞踏場及び博奕)

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改訂新版 世界大百科事典 「マズルカ」の意味・わかりやすい解説

マズルカ
mazurka

舞曲。本来はマズレクmazurek(ポーランド語)という名で,ポロネーズと並ぶポーランドの代表的民俗舞曲の一つ。ショパン以後,〈マズルカ〉という曲名が広く知られるようになったが,フランスやドイツで19世紀前半から20世紀にかけて流行したマズルカを〈ポルカ・マズルカ〉といい,ポーランドの伝統的な民俗舞曲マズレクとは区別し,音楽的にも異なったものである。古いマズレクは,14世紀に流行した記録も残っている。テンポの遅いクヤビアクkujawiak,中庸の速さのマズレク,テンポの速いオベレクoberekをまとめてマズレクと呼ぶことが多い。いずれも3/4または3/8拍子であるが,3拍子本来の1拍目の強拍が,2拍目または3拍目に移動する。マズレクの踊り方は変化に富み,数十種類がある。ショパンは,マズレクのリズムやテンポの変化にひかれ,3種の舞曲のリズム的要素を巧妙に組み合わせて,マズルカという新しいピアノ音楽の領域をつくりあげた。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マズルカ」の意味・わかりやすい解説

マズルカ
まずるか
mazur ポーランド語
mazurek ポーランド語
mazurka 英語
mazurka フランス語
Mazurka ドイツ語

ポーランドの民族舞踊。名称は、マゾフシェ地方の人々(マズル)が踊っていたことに由来する。多くの種類があり、それぞれ速度、ステップ、雰囲気が異なるが、一般にはオベルタスobertas(非常に速く旋回する)、マズル(中庸の速さ)、クヤビアクkujaviak(ゆっくりとした動き)などが知られている。いずれも三拍子で、二拍目か三拍目にアクセントが置かれる。伴奏楽器はフィドルバイオリン)とドゥダ(一種のバッグパイプ)。また、歌われることもあった。

 マズルカは農民から上流階級へと伝わり、17世紀ごろから器楽曲としてポーランド周辺の国々に伝わっていくが、19世紀に入って、とくにショパンを通じてヨーロッパに広まる。ショパンには、この舞曲特有の旋律やリズム、さらには長調と短調の間を揺れ動く和声などを、独自の様式と結び付けた詩情豊かな約50曲のピアノ作品がある。その他の作曲家としては、ポーランドのシマノフスキ、ポーランド以外ではリスト、フォーレ、スクリャービンなどがいずれもピアノ曲をつくっている。

[関根敏子]

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百科事典マイペディア 「マズルカ」の意味・わかりやすい解説

マズルカ

ポロネーズと並ぶポーランドの代表的民俗舞曲。ポーランド語でマズレクmazurek。3拍子系。18―19世紀ヨーロッパの社交ダンスとなった。ショパンらによる作品もある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マズルカ」の意味・わかりやすい解説

マズルカ
mazurka

ポーランドの民俗舞踊および,その舞曲。2拍,または3拍目にアクセントのくる3拍子の曲で,舞踊は通常4組または8組の男女によって踊られる。 16世紀頃マゾフシェ地方で発達し,18世紀中頃までにドイツ,19世紀にフランス,イギリスの上流社会の舞踏会に取入れられて普及した。足を踏鳴らすのが特徴で,55種のステップがあるといわれる。芸術音楽としては,ショパンが民俗的旋法を使用して 51曲を作曲したほか M.グリンカ,チャイコフスキー,K.シマノフスキらの作品が知られている。

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世界大百科事典(旧版)内のマズルカの言及

【ポーランド音楽】より

…器楽ではハチェフスキA.HaczewskiやボフダノビチBazyli Bohdanowicz(1740‐1817)の交響曲,ヤニェビチFelix Janiewicz(1762‐1848)の二つのバイオリンとチェロの〈三重奏曲〉,オギンスキMichał Kleofas Ogińskiによる当時の悲劇的社会を反映した感傷的なポロネーズ《祖国よさらば》などのピアノ曲がある。独立運動の中で多くの愛国歌が作られたが,とくに国外で独立のために闘ったポーランド師団の歌《ドンブロフスキのマズルカ》は1797年以来広く歌われ,1927年から国歌となった。また愛国歌のほかに市民の間ではオペラのアリアや歌謡曲が歌われ,歌謡曲の《ラウラとフィロン》はショパンの《ポーランド民謡による幻想曲》作品13にもとり入れられた。…

※「マズルカ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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