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マツカレハ Dendrolimus spectabilis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

マツカレハ
Dendrolimus spectabilis

鱗翅目カレハガ科。幼虫マツケムシと呼ばれる。雌は大型で前翅開張幅 70~90mm,雄は 45~60mmで中型の部類に入る。雌の前翅は白褐色の地に暗色の波形紋が横に走り,後翅無紋。雄は体色に変異が多く,赤褐色から黒褐色まであり,前翅の斑紋は単純。成虫は6~7月に出現し,9~10月に2回目の個体が現れることもある。幼虫はアカマツクロマツの葉を食害し,全山マツが枯死するほどの大害をもたらすこともある。老熟すると 70mmにも達し,淡い黄褐色で,背面に暗緑色の太い帯をもつ。全身に黒い刺毛があり,胸部には針状の毒毛を密生する。この幼虫は秋になると根ぎわの落ち葉にもぐって越冬する。公園などのマツのわら巻きは,この習性を利用して防除するために行われる。

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百科事典マイペディアの解説

マツカレハ

鱗翅(りんし)目カレハ科のガの一種。日本全土,朝鮮半島,中国,シベリアに分布。開張雄60mm,雌75mm内外。褐色,前翅中央に濃色帯があり,その外方は灰白色。
→関連項目マツクイムシヤニサシガメ

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マツカレハ
まつかれは / 松枯葉蛾
[学]Dendrolimus spectabilis

昆虫綱鱗翅(りんし)目カレハガ科に属するガ。はねの開張40~80ミリメートル。一般に雌は大形であるが、雄は50~60ミリメートルの個体が多い。触角は雌雄とも櫛歯(くしば)状であるが、雌の枝は短い。前翅の色彩は変異に富むが、雄では、鋸歯(きょし)状の白色外横線の外側が帯状に赤褐色のことが多く、雌では白色の横線のほかは薄黒いことが多い。日本全土のほか、隣接大陸にも分布する。成虫は夏に羽化し、よく灯火に飛来する。卵からかえった幼虫はマツケムシともよばれ、マツやカラマツの針葉を食べ、若齢で樹幹の割れ目などに潜んで越冬し、翌春ふたたび小枝に上って葉を食べ、初夏に繭をつくって蛹化(ようか)する。秋に樹幹に筵(むしろ)のバンドをしておくと、幼虫が越冬のためにその中に入るので、早春にこれを焼却することによって幼虫を効果的に駆除できる。幼虫の毒刺毛が皮膚に刺さると炎症をおこすが、この刺毛は繭にも付着しているので注意が必要である。温暖地の伊豆諸島、対馬(つしま)および奄美(あまみ)大島から沖縄本島にかけ、成虫が年2回発生する。この地域の成虫は小形で、前翅の斑紋(はんもん)が弱く別種のようにみえるが、本質的には本土のものと変わらない。[井上 寛]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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