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マツタケ

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栄養・生化学辞典の解説

マツタケ

 [Tricholoma matsutake].ハラタケ目キシメジ科キシメジ属のキノコ.食用にする.

出典|朝倉書店
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百科事典マイペディアの解説

マツタケ

キシメジ科のキノコ。独得の香りをもち,食用キノコの代表種とされる。秋まれには梅雨時,日本全土のおもにアカマツ林に発生,花コウ岩地の浅い根につきやすい。ときにクロマツエゾマツ,ツガなどにも発生する。
→関連項目キノコ

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食の医学館の解説

まつたけ【マツタケ】

《栄養と働き&調理のポイント
 生きた木の根に共生するキノコで、栽培法が確立されていないため、すべてが天然ものです。
 最近では、国内産が少なく、出回っているものの8割がたが韓国や北朝鮮カナダ、中国などからの輸入品です。安価で買えるものもありますが、大半は国産品とは別種のものや、香り成分の含有量が少ないもののようです。
○栄養成分としての働き
 香り成分は、桂皮酸(けいひさん)メチルエステル、オクテノール、メチルオルシナートなどの成分。食欲増進や消化酵素の分泌(ぶんぴつ)を促進します。
 栄養成分ではビタミンB2、ナイアシンが豊富で、口内炎(こうないえん)や角膜炎(かくまくえん)といった皮膚炎の予防や抵抗力を強化するのに役立ちます。
 また、がん予防もおおいに期待できます。東京大学薬学部や国立がんセンター研究所などによる抗がん性試験では、マツタケのがん防止率は91.3%と、食用キノコでは最高位であることがわかっているのです。
 マツタケをおいしく食べるポイントは、水洗いをしないことです。石突きの部分は包丁で少しこそげとって、ふきんで拭いて使います。虫が食っていたら、塩水にしばらく浸けてから料理するといいでしょう。
 代表的な料理には、土瓶蒸(どびんむ)しやマツタケご飯などがありますが、香りを十分に堪能するなら、焼きマツタケがいちばんでしょう。

出典|小学館
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マツタケ
まつたけ / 松茸
[学]Tricholoma matsutake (S. Ito et Imai) Sing.

担子菌類、マツタケ目キシメジ科の食用キノコ。主としてアカマツ林に輪状または列状に並んで生える。傘は径10~20センチメートル、ときに30センチメートルにも達する。表面は淡灰褐色で繊維状の鱗片(りんぺん)で覆われるが、しだいに茶褐色に近づく。傘が開く前は、傘の縁と茎の上部との間は綿毛状の膜で連なる。ひだは白く、茎に湾生する。茎は太く長く、肉は充実し、縦に裂ける。つばは初め明瞭(めいりょう)だが、しだいにしおれて縮み、はっきりしなくなる。胞子は6~7マイクロメートル×4.5~6.5マイクロメートルの広楕円(こうだえん)形。全体に日本人に好まれる独特の芳香がある。マツタケは、アカマツのほか、コメツガ、アカエゾマツ、クロマツ、ハイマツの林にも生える。マツタケの菌糸は、これらの木の細根にまとい付いて、外生菌根をつくって生活する。マツタケは地温が19℃になるとキノコ形成の準備を始め、2週間ほどたつと地表に頭を出す。発生はほとんど秋であるが、梅雨期にも発生することがある(ツユマツタケとかサマツなどとよばれる)。マツタケは、従来は北海道から九州にまで分布する日本特産種と考えられていたが、現在では朝鮮半島、中国(東北部、山東省、雲南省など)、台湾にも分布することがわかっている。[今関六也]

生育条件

日本におけるマツタケの生産は、長野県、広島県、岡山県、岩手県、京都府などで多く、ついで兵庫県、岐阜県、山口県などとなる。そのほかの県にも発生するが量は少ない。本州以南では主としてアカマツ林にマツタケは生えるが、アカマツそのものは、本州以南ではきわめて普通である。それにもかかわらず、マツタケの産地がこのように偏るのは、マツタケと共生するマツ類の体質によっている。こうしたマツ類の体質を決めるのは、次のような条件である。その第一は土質の違い、すなわち土壌の母体である母岩の違いである。マツタケは一般に、花崗(かこう)岩、石英斑(はん)岩、角(かく)岩、砂岩、珪(けい)岩を母岩とする山には発生し、安山岩、頁(けつ)岩、丹土(たんど)(赤い土)、関東ロームなどでは発生しない。第二は地上部の状態、すなわちマツの樹冠の茂り方、低木や地表草本の種類や密度、落葉堆積(たいせき)量の多少などである。したがって、土質条件はマツタケの発生に適していても、マツ林の手入れいかんによっては不適ともなりうるわけである。
 マツタケは菌根菌であるから、宿主に頼らねばならないが、宿主となる木はマツタケが存在しなくても生育することはできる。それにもかかわらず、その木がマツタケと菌根をつくって共生するのは、宿主側が主として栄養生活(土壌条件)の面で、マツタケの協力を必要とするためである。したがって、こうした条件を窮めずに、ただアカマツとマツタケ菌糸を接触させただけでは菌根は形成されない。マツタケ栽培が不可能とされてきたのはこのためである。しかし、最近では、これらに対する研究が進み、マツタケ菌の保菌苗をつくることに成功し、これを山林に植えてわずかではあるがマツタケの発生をみている。マツタケの人工増殖に一つの布石を敷いたともいえるが、まだ完成までの道は遠いといえる。
 日本のマツタケ生産量は年度によって変動はあるが(2007年の国内生産量は不作により51トン)、第二次世界大戦前に比べると激減している。逆に輸入量は激増しており(2007年の輸入量1554トン)、そのほとんどは中国および朝鮮半島産のものである。また、次に述べるヨーロッパ産やアメリカ産の近縁種も輸入の傾向をみせている。日本のマツタケ生産が激減した最大の原因は、薪炭から石油・ガスへの燃料改革、堆肥・下肥などの有機質肥料から化学肥料への農業における肥料革命によって、マツタケ山の手入れが十分に行われないことにある。もし戦前と同じような手入れを行えば、マツタケの増産は可能といえる。[今関六也]

近縁種

マツタケにもっとも近縁な種に、ヨーロッパ産のオウシュウマツタケT. caligatum (Viv.) Rickenがある。ヨーロッパの学者には、この種をマツタケと同種とする人があるほどで、形も香りもよく似ている。また、アメリカ、カナダのポンデローサマツやダグラスファー林に生えるアメリカマツタケT. ponderosum (Rk.) Sing.は色は白っぽいが、形、香りともマツタケに似るので、在米の日本人は好んで食べる。マツタケに似た日本産のキノコでは、広葉樹林に生えるバカマツタケT. bakamatsutake Hongoがある。形は小柄であるが、香りはマツタケと同様である。このほか、アカマツ林に生えるマツタケモドキT. robustum (Fr.) Ricken、シイ・コナラ林に生え、西日本に多いニセマツタケT. fulvocastaneum Hongoもマツタケに似るが、いずれも香りがない。[今関六也]

料理

マツタケの旬(しゅん)は秋10月。地上に現れる直前あるいは直後の、まだ傘の開いていないものが、香りも味も最高とされ、傘が開いたものほど品質が劣り、値段も安くなる。また採取後日がたったものはつやや張りが失われ、香味も落ちる。とくに腐りかけたものは食べると中毒することもある。『菜譜(さいふ)』(1704)には「新を食すべし。日を経たるは毒あり」と記されている。形は軸が太くて、よく締まって固く、傘は軸よりやや大きく膨らんだ程度を最上とする。「匂(にお)い松茸(まつたけ)、味しめじ」といわれるように、香りが身上なので、あまり手をかけずに料理する。山で取りたてをまるごと、落葉で蒸し焼きにしたものが最高の味とされる。新鮮なものをまず石突(いしづ)きを切り捨て、和紙に包み、水に浸して軽く絞り、厚手の蓋(ふた)付き鍋(なべ)で蒸し焼きにする。焼けたらすぐ軸のほうから細く裂き、ゆずしょうゆなどをつけて食べる。料理法は、吸い物、土瓶(どびん)蒸し、茶碗(ちゃわん)蒸し、揚げ物、鍋物、和(あ)え物、まつたけ飯、焙烙(ほうらく)焼きなど、さまざまな日本料理のほか、西洋料理にも使われる。貯蔵法には、水煮や味付けの缶詰・瓶詰、昆布(こんぶ)などとの佃煮(つくだに)、乾燥まつたけなど。乾燥品は水にもどして料理に使う。最近は真空乾燥もあり、茶漬けのふりかけなどにも用いられている。栄養価は、水分88%、タンパク質2%、糖質7.3%、ビタミンはB1、B2、ナイアシン、Cなどが含まれるが、とくに栄養的に優れる点はない。マツタケの香りは主としてマツタケオールで、人造香料もつくりだされている。[星川清親]
『小川真著『マツタケの生物学』(1978・築地書館) ▽マツタケ研究懇話会編『マツタケ山のつくり方』(1983・創文社)』

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