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マネタリズム マネタリズム monetarism

翻訳|monetarism

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

マネタリズム
マネタリズム
monetarism

ケインズ学派の財政金融政策を批判して 1960年代に登場した学派で,その主唱者はシカゴ学派の総帥 M.フリードマンである。この学派の人々をマネタリスト monetaristと呼ぶ。マネタリズムの核心は,物価や名目国民所得の変動を左右する主たる要因が貨幣量 (貨幣供給量すなわちマネー・サプライ ) の変動にあるとする理論で,新貨幣数量説 new quantity theory of moneyとも呼ばれる

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵2015の解説

マネタリズム

米国のミルトン・フリードマンを中心とする経済学で、ケインズ的な裁量的経済政策に反対し、新古典派のように自由な市場に経済を委ねるべきであり、政策は物価安定のため貨幣量の増加率を一定率に固定するにとどめよ、という考え。実証的研究の上に立って、長期的には、実質国民所得の成長率は技術進歩労働供給などの実質要因によって決定され、通貨量の変化はもっぱら物価の動きを左右するという考えから、物価の長期的安定を図るため、貨幣量の増加率を適切な率に固定すべしとする。この点から貨幣数量説の復活といわれ、ケインズ的失業対策の有無にかかわらず、長期的には経済の自己調整力で自然失業率の水準を回復するとした。

(荒川章義 九州大学助教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

マネタリズム(monetarism)

ケインズ経済学に基づく裁量的経済政策に反対し、市場機構の作用に信頼をおき、貨幣増加率の固定化を主張する政策的立場。フリードマンに代表される。

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世界大百科事典 第2版の解説

マネタリズム【monetarism】

ケインズ学派を批判して1960年代に台頭した学派で,その首唱者はM.フリードマンである。この学派の人々をマネタリストmonetaristと呼ぶ。思想的にはシカゴ学派の一分派であり,その理論的基礎は新貨幣数量説という貨幣理論であるが,実際には貨幣数量説より広い意味をもつ。新貨幣数量説は,J.M.ケインズケインズ革命において批判した古典派の貨幣理論であった貨幣数量説を,とくにインフレの分析に有用な形で復活させ,かつ現代的なものにしたものである。

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大辞林 第三版の解説

マネタリズム【monetarism】

政府の裁量による財政・金融政策の有効性を主張するケインズ経済学を批判し、市場機構のはたらきに信頼をおき、貨幣供給の固定化を提唱する政策的立場。フリードマンに代表される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マネタリズム
まねたりずむ

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世界大百科事典内のマネタリズムの言及

【貨幣】より

…なぜならば,ケインズ経済学のもとでは貨幣量の変化は人々の支出(需要行動)にせいぜい間接的な影響を与えるにすぎないとみなされていたからである。経済における貨幣供給量(マネー・サプライ)の制御を重要視する考え方,すなわちマネタリズムは古典的な貨幣数量説の伝統を受け継ぐM.フリードマンら一部の経済学者によって絶えず主張されつづけたが,1960年代後半に至るまで経済政策に関する学説の主流とはなりえなかった。 以上のような事情は70年代に入って一変する。…

【完全雇用】より

…これらの経済には,上述したような最大の総産出量の存在は必ずしも明らかでなくなる。 E.S.フェルプス,M.フリードマンらのマネタリスト(マネタリズム)と呼ばれる経済学者は,1960年代末,物価上昇と失業率との短期的なトレードオフを認めるとしても,長期的なトレードオフ関係についてはこれを否定している。失業率は長期的には物価水準の変化率がゼロまたは一定となる自然失業率の水準に落ち着き,長期フィリップス曲線は自然率で垂直になる。…

【経済学説史】より

…すなわち,古典派,新古典派のパラダイムの中心的部分の一つは貨幣数量説である。最近のアメリカにおける反ケインズ革命,M.フリードマンを中心とするマネタリズムは貨幣数量説の最新版である(新貨幣数量説ともいう)が,ケインズ以前の貨幣数量説と比べると雇用量の変動を説明する新しい理論がつけ加えられているので,古典派,新古典派のパラダイムの復活が可能になったのである。【根岸 隆】
【マルクス経済学の発展】

[マルクス経済学の特質]
 資本主義経済の運動原理ならびに現実的発展と現状を,その歴史性とあわせて体系的に解明しようとするところに,マルクス経済学の特質がある。…

【ケインズ学派】より

… ケインズ学派に特徴的なことは,政府がこうした総需要管理政策を積極的に行うことを主張することである。この点,新古典派経済学(現代ではM.フリードマンらのマネタリズムもこの系譜に属する)が経済の運営を民間部門,あるいは市場機構に任せるべきだとし,政府の介入を嫌うのときわめて対照的である。新古典派が信頼をよせる市場(価格)機構が必ずしもいつも完全に機能するとは限らず,経済は時として総需要の不足に陥ることになるから,そういうときには自由放任主義ではなく政府が積極的な総需要管理政策を行うべきだ,というのがケインズ派の基本的な立場である。…

【合理的期待形成仮説】より

…しかし1960年代後半になってから,とくにアメリカ経済を中心にして起きた大混乱期を通じて,ケインズ経済学の現実的妥当性,政策的有効性が問われるようになり,その理論的基礎もまた疑問視されるようになっていった。このとき,ケインズ以前の新古典派理論(新古典派経済学)に立って,ケインズ経済学に対して活発な批判を展開したのが,いわゆるマネタリズムの考え方に立つ経済学者たちであった。その基本的な考え方は,自由放任主義に近く,政治的保守主義を経済学に移植したものであって,70年代に入ってからとくに著しくなったアメリカ社会全体の保守化,反動化の流れに沿うものであった。…

【物価】より

…この点について経済学には大別して二つの考え方がある。
[マネタリズムの考え方]
 まず第1の考え方は,一般物価水準は貨幣で計った財の(集合の)価格であるから,いいかえればそれは財で計った貨幣の価格の逆数にほかならないという事実に注目する。さて(財で計った)貨幣の価格は,その供給量が増大すれば下落するというのは,ある財(たとえばパン)の価格がその供給量の上昇に伴って下落するのと同じであるから,結局一般物価水準(貨幣の価格の逆数)は貨幣の供給量が増加すれば上昇するということになる。…

【フリードマン】より

…48年から76年までシカゴ大学教授,のちスタンフォード大学フーバー研究所に移る。フリードマンは,経済活動の基礎には貨幣の働きがあり,とくに貨幣供給量の変化によって経済活動全体の動きが大きく左右されるという信念をもち,いわゆるマネタリズムの考え方を提唱した。また市場制度を通じて自由な経済活動が行われるとき,社会的にみて最も望ましい資源配分が実現されるという,古典派経済学の考え方に新しい時代の衣を着せての啓蒙的な面での活躍も著しい。…

【マネー・サプライ】より

…したがって価値保蔵手段としての通貨という場合にも,現金のみではなく,広義マネー・サプライをみるほうが適切である。
[マネタリズムとマネー・サプライ]
 経済理論の分野でマネー・サプライが脚光をあびるようになったのは,M.フリードマンを中心とするマネタリズムの主張に負うところが大きい。フリードマンは,アメリカの50年以上にも及ぶ時系列データを調べた結果,マネー・サプライ残高で名目所得を除した比率(通貨の流通速度)のほうが,財政支出で所得を除した比率(所得乗数)よりも安定していることを示し,名目所得に対する効果はマネー・サプライのほうが財政支出よりも安定しているとし,マネー・サプライ・コントロールのほうが財政支出政策よりも有効性が高いと主張した。…

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