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マルドロールの歌 マルドロールのうたLes Chants de Maldoror

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

マルドロールの歌
マルドロールのうた
Les Chants de Maldoror

フランスの詩人ロートレアモンの散文詩集。 1868年第1歌刊行,翌年決定稿が出版社に持込まれたが出版にはいたらず,作者の死後 20年たった 90年刊。6歌,60節から成る。悪の化身マルドロール (mal〈悪〉+douleur〈苦痛〉) の神に対する絶望的な反逆をオートマティスム (自動記述) による奇想に満ちた文体で歌ったもので,ロートレアモンはこの作によって第1次世界大戦後,ランボーとともにシュルレアリスムの祖と仰がれた。

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デジタル大辞泉の解説

マルドロールのうた【マルドロールの歌】

《原題、〈フランス〉Les Chants de Maldororロートレアモンの長編散文詩。1869年に完成した作品だが、内容が背徳的であるとして出版社が刊行をとりやめ、著者没後の1874年に初めて世に出た。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マルドロールの歌
まるどろーるのうた
Les Chants de Maldoror

フランスの詩人ロートレアモンの長編散文詩。1869年作。作者没後の1874年刊。悪の化身たるマルドロールを主人公とし、多くの場合歌い手(作者)とする体裁のこの作品は、ロマン主義的な悪と反抗のテーマを極限にまで推し進めたものである。そのためかえって、ロマン主義の、さらにはさまざまな形で用いられている西欧文学の主要作品の組織的、全面的なパロディーの性格が顕著である。孤独な著者の過敏な感受性に映った苦悩と幻想の世界であるが、それでいて古い口承文芸に一脈通じるような、原初的かつ普遍的なイメージに満ちている。
 詩(歌)として構想されてはいるが、内容はときに短編小説に近く、ことに「第六の歌」は一種の「小ロマン」として、19世紀的連載小説というジャンルのパロディーである。この作品の言語は、マラルメのそれとともに、19世紀のもっとも革命的な文学言語として最近ますます注目されつつある。[豊崎光一]
『栗田勇訳『マルドロールの歌』(1960・現代思潮社)』

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