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マレイン酸 マレインさんmaleic acid

翻訳|maleic acid

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

マレイン酸
マレインさん
maleic acid

有機合成原料として重要な二塩基酸。水,エチルアルコールエーテルに易溶。フマル酸幾何異性体で,種々の条件のもとでフマル酸に異性化する。マレイン酸では2個のカルボキシル基エチレン結合をはさんでシス形に配位している。無色の結晶,融点 130℃。ベンゼン気相酸化して生成する無水マレイン酸を,水で加水分解して得られる。アルキド樹脂の原料,酸の標準物質としてアルカリ標準液の検定に用いられる。次の構造をもつ。

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百科事典マイペディアの解説

マレイン酸【マレインさん】

化学式はC4H4O4。無色の結晶。融点133〜134℃。水,エタノールに易溶。160℃で沸騰して無水マレイン酸と水になる。フマル酸幾何異性体に当たり,アルキド樹脂の原料,リンゴ酸コハク酸などの有機酸の合成原料として用いられる。

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世界大百科事典 第2版の解説

マレインさん【マレイン酸 maleic acid】

シス‐1,2‐エチレンジカルボン酸のことで,トランス型のフマル酸とは幾何異性の関係にある。融点133~134℃の無色結晶。フマル酸に比べて水に溶けやすく,エチルアルコール,エーテルにも易溶,ベンゼンに難溶。135℃でゆっくり加熱すると安定形であるフマル酸に異性化するが,強熱すると水を失って無水マレイン酸になる。二塩基酸であるから,水中では2段の解離をして酸性を示す(酸解離指数pK1=1.92,pK2=6.23)。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マレイン酸
まれいんさん
maleic acid

不飽和ジカルボン酸の一種。フマル酸の幾何異性体で、シス形の1,2-エチレンジカルボン酸である。1817年にリンゴ酸の乾留により無水物として得られた。五酸化バナジウムを触媒として、ベンゼンを気相で空気酸化すると無水マレイン酸とともに得られる。無水マレイン酸は水と反応させるとマレイン酸になるので、マレイン酸のみを得ることができる。融解とともに異性化してトランス形のフマル酸になるが、160℃以上の温度では無水マレイン酸になる。無水物の生成はシス形のマレイン酸でおこりやすく、トランス形のフマル酸では高温にしないとおこらない。

 水、エタノール(エチルアルコール)に溶ける。リンゴ酸やコハク酸の合成原料、アルキド樹脂の原料となるほか、油脂の防腐剤や、羊毛・木綿の染色仕上げ剤、薬剤のマレイン酸塩調製などの用途がある。生体内での役割は少なく、ある種の細菌でフマル酸への異性化酵素がみいだされている。[廣田 穰・池田加代子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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