東南アジア,インドシナ半島からさらに南へ細長くのびてインド洋と南シナ海を分ける半島。北部はタイおよびミャンマー領,南部はマレーシア領で,南端にシンガポール島がある。全長約1700km,幅60~300km。マレーシア領の部分が最も幅広い。クラ地峡以南の部分(全長約1200km)のみをマレー半島ということもある。中生代の造山運動でできた山地は開析が進み,山頂のなだらかな山並み,丘陵状の老年期地形が各地に広く見られる。最高点はマレーシアのタハン山(2189m)。石灰岩および花コウ岩質の丘陵と沖積低地にはスズの埋蔵が多く,露天掘りによる採掘が盛んである。気候は典型的な熱帯多雨型で,年降水量は2500~3500mm,山地東側が11~2月,西側が3~8月により多雨となる。半島南西部(マレーシア)はスズ鉱とともにゴム,アブラヤシの産地として世界的に知られ,近年は工業も発達して東南アジアの産業先進地である。しかし熱帯雨林の大規模な伐採が続いたため,都市に洪水の被害が多くなってきた。
執筆者:太田 勇
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…そしておそらく12世紀末ごろからパレンバンをしのいで王国の中心となったらしい。その後彼らの一部はスマトラ西岸に進出して,現在のミナンカバウ族となり,また一部はマラッカ海峡を渡ってマレー半島西岸に住みつき,今日この地がマレー(マライ)半島と呼ばれる素地をつくった。彼らの国語であるマレー語は,敬語などが少なく日常会話に便利であったところから,その活発な商業活動によって,マレー半島からインドネシアのほぼ全海岸地方に広まり,取引のための公用語となった。…
※「マレー半島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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