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マーカス Marcus, Rudolph A.

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

マーカス
Marcus, Rudolph A.

[生]1923.7.21. モントリオール
カナダ生まれのアメリカ合衆国の化学者。1946年カナダのマギル大学で物理化学博士号を取得。ノースカロライナ大学での研究生活後,1951年ブルックリン工科大学助教授,1958年教授。同 1958年アメリカ市民権を取得。1964~78年イリノイ大学教授を経て,1978年カリフォルニア工科大学アーサー・エイモス・ノイス記念教授に就任。1950年代から電子移動反応に関する研究を始め,溶媒分子の変化によって 2分子間で電子が飛び移りやすくなるという結論に達した。そしてそのような変化が分子のエネルギーに及ぼす影響を数式で表し,電子移動反応について測定される反応速度を説明した。この仮説のうちマーカスが「逆転領域」と名づけた部分は当初受け入れられなかったが,1985年に実験の末,存在が立証された。マーカスの理論は植物の光合成からダイオードの発光まで,さまざまな現象の理解に有用である。1992年ノーベル化学賞を受賞。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マーカス
まーかす
Rudolph A. Marcus
(1923― )

アメリカの化学者。カナダのモントリオール生まれ。マッギル大学卒業後、同大学院に進学し物理化学を専攻。1946年博士号を取得後、カナダ国立学術研究会議でフリーラジカルの反応を研究する。1949年にアメリカへ拠点を移して、ノース・カロライナ大学で理論化学の研究を始める。1951年ブルックリン工科大学准教授。1950年代後半から1960年代にかけて、溶液中の化学反応における電子の移動は、反応する分子の構造変化によるものだとする「マーカス理論」を提唱し、この理論に基づいて、構造変化の影響を数式化し、電子移動の速度を求める式を編み出した。これにより、植物の光合成のときにおこる光エネルギーの固定の様子や、電気伝導ポリマーの伝導性などのさまざまな反応が説明できるようになり、この理論は1980年代に実験的に証明された。1964年イリノイ大学教授。1978年にカリフォルニア工科大学教授となる。前記の功績により1992年にノーベル化学賞を受賞した。[馬場錬成]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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