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ミドリシジミ Neozephyrus taxila

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ミドリシジミ
Neozephyrus taxila

鱗翅目シジミチョウ科。前翅長 20mm内外。後翅に細い尾状突起がある。翅表は,雄では金緑色で外縁は幅広く黒色,雌では黒褐色で金緑色鱗粉を欠くが,全面黒褐色のものと,前翅に黄褐色斑,青紫色斑のあるものとがあり,その組合せで4型が認められている。裏面は灰褐色ないし赤褐色で,前後翅とも中央より外縁寄りに細い白色横帯があり,後翅では後方でW字状をなす。成虫は6~9月に出現し,雄は夕方樹上を飛ぶ。幼虫はハンノキ類を食べる。北海道,本州,四国,九州,サハリン,朝鮮,シベリア東部に分布する。本州,四国,九州産は亜種 N. t. japonicus,サハリン,北海道産は小型で別亜種 N. t. regiusという。なお,日本産で雄の翅表に金緑鱗をもつ近縁種は NeozephyrusChrysozephyrusFavoniusQuercusiaの4属に分けられているが,クロミドリシジミ F. yuasaiの雄は例外的に緑色鱗を欠く。幼虫はクヌギ,アベマキを食べる。ヒサマツミドリシジミ C. hisamatsusanusは後翅裏面のW字紋がV字形になっている点が著しい。幼虫の食草はブナ科のウラジロガシ。フジミドリシジミ Q. fujisanaは雄の翅表が青色を帯びる。裏面は雌雄とも白色で,黒色帯と黒色斑がある。幼虫の食草はブナ科のブナ,イヌブナなど。北海道,本州,四国,九州に産する日本固有種である。

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百科事典マイペディアの解説

ミドリシジミ

鱗翅(りんし)目シジミチョウ科の1種。日本全土,樺太,朝鮮,シベリア東部などに分布。開張37mm内外,雄の翅表は金緑色で黒く縁どられるが,雌は黒褐色,前翅に紫藍色やだいだい色の斑紋の現れるものもある。

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世界大百科事典 第2版の解説

ミドリシジミ

鱗翅目シジミチョウ科ミドリシジミ族Thecliniに属する昆虫の総称,またはそのうちの1種を指す。シジミチョウ科はヒマラヤから中国,日本にかけての暖温帯および冷温帯の森林地帯に栄えており,かつてはゼフィルスZephyrusという一つの属にまとめられていたが,今日ではいくつかの属に細分されている。 日本にはウラキンシジミ,チョウセンアカシジミアカシジミ(イラスト),ウラナミアカシジミオナガシジミ,ミドリシジミなど約25種が知られている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ミドリシジミ
みどりしじみ / 緑小灰蝶
[学]Neozephyrus taxila

昆虫綱鱗翅(りんし)目シジミチョウ科に属するチョウ。日本では北海道、本州、四国、九州に分布するが、九州では九重(くじゅう)山系にのみ産する希種。国外では樺太(からふと)(サハリン)、朝鮮半島、中国東北部に分布する。はねの開張は37ミリ内外。はねの裏面は雌雄とも灰褐色であるが、雄の表面は金緑色(和名はこの特徴による)、雌の表面は褐色、無紋のものから、大形の藍紫斑(らんしはん)をもつもの、橙赤(とうせき)斑をもつもの、藍紫斑と橙赤斑の両方をもつものなどの諸型がある。年1回の発生で、暖地では6月、寒冷地では7月より出現し、生き残りの雌は10月までみられることがある。幼虫の食草はハンノキ、ヤマハンノキなどのカバノキ科。卵はこれら食草の枝・幹上に産み付けられ、卵の状態で冬を越し、翌春食草の芽立ちとともに孵化(ふか)する。[白水 隆]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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