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ミュール精紡機 ミュールせいぼうきspinning mule

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ミュール精紡機
ミュールせいぼうき
spinning mule

おもに紡毛紡績に使用される精紡機。ミュール紡績機とも呼ばれる。1779年イギリスの発明家サミュエル・クロンプトンが発明した。一人の織工が同時に 1000以上の紡錘(→スピンドル)を稼働させることができ,織物工業向けの高品質な糸の大規模生産を可能にした。ミュールとは雄ロバと雌ウマの種間雑種(→雑種)であるラバの意で,リチャード・アークライトが発明した水力紡績機と,ジェームズ・ハーグリーブズが発明したジェニー紡績機の長所を取り入れたものであることから,この名がつけられたとみられる。1830年に発明されたリング精紡機のように繊維束の加撚と巻き取りを連続的に行なうのでなく,送り出された繊維束を,後退しながら回転するスピンドルの先端によって加撚して糸とし,次いでスピンドルを前進させながら回転させ,スピンドル上の管に糸を巻き取る。(→産業革命紡績工業

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世界大百科事典 第2版の解説

ミュールせいぼうき【ミュール精紡機 mule spinning machine】

精紡機の一種。1779年,イギリスの技術者S.クロンプトンが発明。細番手の綿糸を紡ぐのに,当時の紡績機では細い糸が張力に耐えられずに切れてしまうため,長繊維を用いて手作業で作っていた。そこでクロンプトンは,ジェニー機のキャリッジの上にスピンドルを置き,ジェニー機でスピンドルの立っている位置にウォーターフレームのローラーを取り付けた機械を発明した。こうすると,ウォーターフレームの長所であるローラーによる糸の引伸しと,ジェニー機の手加減によって調節される撚り(より)かけが組み合わされ,細糸が機械で製造されるようになった。

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世界大百科事典内のミュール精紡機の言及

【精紡機】より

…他にポット精紡機(図d)あるいはコップ精紡機(特殊用)(図e)などがある。間欠式のミュール精紡機は生産能率が低く,日本では高級梳毛糸,紡毛糸以外には使用されていない(図f)。また,スライバーの繊維をいったんばらばらにして細くし,切り離した状態で撚りをかけて糸を作るオープンエンド方式(ブレークスピニング)もあり,ローター式(図g),空気加撚式,吸着加撚式,静電式,空気渦流式などがある。…

【紡績】より

…79年S.クロンプトンはジェニー機を改良し,ローラードラフトも取り入れた機械を発明し,両者の合の子という意味でミュール(ラバ)と名づけた。このミュール精紡機では1台の紡錘の数は飛躍的に増大し,糸の品質も向上した。ミュールは1825年R.ロバーツによって自動化され,また蒸気機関も導入され,都市での機械による工場を出現させた。…

【紡績機械】より

…Pをボビンとは独立に回転するフライヤーにしたものがフライヤー精紡機である。ミュール精紡機では,糸(P)をボビンと同一速度で回転して撚りをかけた後,Pが静止した状態で糸を巻き取る(紡錘車と同じ)。撚りをかけながら糸を伸ばすので,撚りのかかりにくい太い部分が伸長して均一になる。…

※「ミュール精紡機」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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