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ムリーリョ Bartolomé Esteban Murillo

百科事典マイペディアの解説

ムリーリョ

スペインの画家。1618年1月1日セビリアで受洗。おもにセビリアで活動した。ティツィアーノルーベンスなどの影響を受けたのち,柔らかく甘美な色彩と金色の靄のような輝きを帯びた光を特徴とする画風をうち立て,スペイン・バロックの代表的画家の一人となった。宗教画,風俗画を制作,特に〈無原罪の御宿り〉の聖母を好んで描いた。1660年,セビリア絵画アカデミー創立時にその院長に就任。代表作に《無原罪の御宿り(ベネラブレスの)》(1678年ころ,マドリード,プラド美術館蔵)のほか,《蚤を取る少年》(1645年―1650年ころ,ルーブル美術館蔵),《善き羊飼い幼児キリスト》(1660年―1665年ころ,プラド美術館蔵)などがある。
→関連項目黄金世紀ゲレーロリベラ

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世界大百科事典 第2版の解説

ムリーリョ【Bartolomé Esteban Murillo】

1617‐82
17世紀後半のスペイン盛期バロック絵画を代表する画家。セビリャに生まれ,同地で没。スペインの画家としては例外的に,生前からピレネー以北に知られ,スペイン独立戦争の際には,彼の作品はフランスの将軍たちの略奪の主要対象となった。その名声は,ロマン主義時代に頂点に達したが,20世紀に入って甘く感傷的という理由で急速に低下した。しかし1980年代になって,デッサン,色彩,構図のみごとさに注目し,再評価する動きが出ている。

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大辞林 第三版の解説

ムリーリョ【Bartolomé Esteban Murillo】

1617~1682) スペインの画家。ベラスケスと並ぶスペイン-バロックの代表作家。聖母や聖者を個性的に生き生きと描き、「スペインのラファエロ」といわれた。作品「キリストとヨハネ」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ムリーリョ
むりーりょ
Bartolom Esteban Murillo
(1617―1682)

スペインの画家。17世紀後半のスペイン盛期バロックを代表する。セビーリャに生まれ、同地に没した。スルバランやホセ・デ・リベラを研究、明暗法と自然主義を出発点としたが、ラファエッロやベネチア派の巨匠たち、ルーベンスやファン・ダイクから多くを学び、自由な筆触と巧みな構図、明るく華麗な色調のバロック絵画を確立し、セビーリャ派の指導的存在となった。
 彼はアンダルシア地方の教会や修道院のために数多くのシリーズを制作したが、同時にカトリック教会による対抗宗教改革運動の代表的な画家でもあり、スペインでとくに熱烈だったマリア信仰を、一連の甘美で黄金調の『無原罪の御(おん)やど』や親近感あふれる『聖母子像』に反映させた。イエスの幼年時代を描いた作品も多く、それらの色彩は真珠のような輝きをみせ、ロココを先駆している。一方、『虱(しらみ)を取る少年』をはじめ、セビーリャの浮浪児をリアルにしかし慈愛に満ちたまなざしで描いた魅力的な風俗画も残した。1660年、バルデス・レアルとともにセビーリャに絵画アカデミーを創設、後進の指導にも尽くした。また彼は、スペインの画家としては例外的に、生前からピレネー山脈以北にも知られ、その名声はロマン主義時代に頂点に達した。20世紀に入ってその反動が現れ、低俗視されたこともあるが、1980年代になってバロック絵画の巨匠として再評価され始めている。[神吉敬三]

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世界大百科事典内のムリーリョの言及

【スペイン美術】より

…それ以前は,諸キリスト教王国やイスラム王国の首都がその時々の文化の中心をなしていた。17世紀のベラスケス,スルバラン,ムリーリョといった巨匠たちを生んだのも,マドリードではなく,イスラム支配時代から重要な都市として繁栄し,後に新大陸との交易を一手に掌握したセビリャであったのである。
[古さゆえの新しさ]
 イスラムと対立・併存した8世紀間,スペインのキリスト教はファナティックで好戦的なものに変質した。…

【バロック美術】より

…これらのスペインの彫刻は,民衆の熱烈な信仰のもっとも民俗的な表出である。17世紀後半にセビリャで活躍したムリーリョもまた,反宗教改革の求める民衆的宗教団体の大成者であった。とくにセビリャ大聖堂の《無原罪のお宿り》には,近代カトリシズムのプロパガンダ様式のすべてがつくされている。…

※「ムリーリョ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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