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デジタル大辞泉の解説

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メーン

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大辞林 第三版の解説

メイン【main】

メーン

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

メイン
めいん
William Mayne
(1928― )

イギリスの児童文学作家。ヨークシャーのハルに生まれ、カンタベリー大聖堂聖歌隊学校卒業後、作家を志し、25歳の1953年に、廃墟(はいきょ)となっている僧院にまつわる失われた宝の伝説の謎に挑む姉と弟の物語『足跡をたどって』を出版した。これはカンバーランド(現カンブリア)が舞台の「宝さがし」物語だが、メインは以後しばらく、生まれ故郷のヨークシャー渓谷地方を背景に『沼地の仲間たち』(1955)、『草の綱』(1957。カーネギー賞受賞)、『輪転がしの季節』(1960)など、ヨークシャー渓谷の農村の人たちを、宝さがしや古い謎の解明を筋にして克明に語った。1955年の『五月のミツバチ』は、聖歌隊学校の生徒がミツバチをひき寄せる力のあるふしぎな物をみつけたことから、やがて古い儀式の一つが復活される話で、これも一種の「宝さがし」物語だが、人物描写、構成、雰囲気などが巧みに融合した初期の傑作で、続編に『聖歌隊のケーキ』(1956)、『大聖堂の水曜日』(1960)、『言葉と音楽』(1963)がある。
 『砂』(1964)、『燃えるはしけ』(1965)の2冊は、学業成績の冴(さ)えない少年たちがみせる子供の真の姿をとらえ、『カラス谷』(1970)は、血のつながる2家族間の宿恨を扱い、それぞれが子供の状況を、現実的にとらえはじめていた。その視点は、人物の内面深く入り込み、父親に対する憎悪が空想の国での竜退治になる『闇(やみ)の闘い』(1971)や、祖父の壮絶な生涯を追跡調査する孫の行動を通して生きる意味を突き詰めた『ニュージャージーの岸辺で』(1973)などの問題作に結晶した。『闇の闘い』は1991年、20年前に出版された作品のうちおもだった賞を受けなかったものに贈られるフェニックス賞(既刊の再評価)を受賞した。
 メインの、子供―人間へのアプローチの深化と拡大は、また、タイム・ファンタジーの手法を用いた『地に消える少年鼓手』(1967)を生んだ。これは、アーサー王の12人の騎士が眠るといわれる洞窟(どうくつ)の真否を確かめるため、昔、命令でドラムをたたきながら洞窟内を進んだ少年鼓手が、現代のヨークシャーに出てくる話であり、メインはこの手法で、土地と時間が積み重ねた数多くの生の、いまにつながる意味をさぐり、その問題をさらに『続・地に消える少年鼓手』(1995)、『第三・地に消える少年鼓手』(2000)で追求している。1984年に4冊本で出版され、現在は『家つき妖精(ようせい)ホブのお話』(1991)の1巻になっている幼年向きの作品も、この分野でのこの作家の円熟を示している。[神宮輝夫]
『黒沢浩訳『一年と一日』(1985・金の星社) ▽神宮輝夫訳『山をこえて昔の国へ』(1989・岩波書店) ▽林克己訳『地に消える少年鼓手』(1989・岩波書店) ▽林克己訳『砂』(1990・研究社) ▽林克己訳『りんご園のある土地』(1991・岩波書店) ▽森丘道訳『夏至祭の女王』(1994・偕成社) ▽神宮輝夫訳『闇の戦い』新装版(2001・岩波書店) ▽R・ブリックス画、大高久子訳『口ぶえをふくルーファクス』(1968・学習研究社) ▽ニコライ・ベイリー絵、今江祥智・遠藤育枝訳『パッチワークだいすきねこ』(1990・BL出版) ▽ディートリント・ブレッヒ絵、今江祥智・遠藤育枝訳『パンドラ』(1999・BL出版) ▽シーラ・イーゴフ著、西村醇子ほか訳『物語る力――英語圏のファンタジー文学:中世から現代まで』(1995・偕成社) ▽ハンフリー・カーペンター著、神宮輝夫監訳『オックスフォード世界児童文学百科』(1999・原書房)』

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