コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

メレシコフスキー

3件 の用語解説(メレシコフスキーの意味・用語解説を検索)

百科事典マイペディアの解説

メレシコフスキー

ロシアの作家。女性詩人ギッピウスZinaida Nikolaevna Gippius〔1869-1945〕と結婚,ロシア象徴主義の唱道者となる。三部作の歴史小説神々の死》(1896年),《神々の復活》(1901年),《反キリスト》(1905年)のほか,評論《トルストイドストエフスキー》(1902年)で霊と肉の相克の二元論的思想を説く。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

世界大百科事典 第2版の解説

メレシコフスキー【Dmitrii Sergeevich Merezhkovskii】

1866‐1941
ロシアの作家,宗教思想家。宮廷勤務のウクライナ貴族の子。詩人ギッピウスの夫。ナードソン風の市民派の詩で出発したが,詩集《象徴》(1892)や評論《現代ロシア文学の衰退の原因と新しい潮流について》(1893)でロシア象徴派の先駆けとなった。しだいに宗教に傾斜し,〈宗教哲学会〉や雑誌《新しい道》(1903‐04)の活動で黙示録の預言の実現,〈聖霊の王国〉の到来を待望する独自の教説を唱えた。三部作の歴史小説《キリストと反キリスト》(1896‐1905)や評論《トルストイとドストエフスキー》(1901‐02)にはキリスト教と古代の神々,霊と肉などを対立させる彼の〈弁証法的〉思考形式が顕著に現れている。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

メレシコフスキー
めれしこふすきー
Дмитрий Сергеевич Мережковский Dmitriy Sergeevich Merezhkovskiy
(1866―1941)

ロシアの詩人、作家、批評家。ロシア宮廷に仕える貴族の家に生まれる。ペテルブルグ大学卒業後、女流詩人ギッピウスと結婚し、ともに文学活動に入る。初め唯美主義的な詩を書いていたが、ドストエフスキー、ボードレール、ポーらの影響を受けて文学的転機を迎え、1892年、ロシア文学史上初めて「シンボル」なることばを意識的に用いた第二詩集『象徴(シンボルイ)』を出版。翌93年にはロシア・シンボリズムの宣言書(マニフエスト)と目される論文『現代ロシア文学の衰退の原因と新しい潮流について』で、70~80年代のナロードニキ的思想とそのリアリズム文学を否定し、「神秘的内容、シンボルおよび芸術的印象性の拡大」からなる新芸術を提唱、ロシア前期象徴派の指導者となった。その後「宗教・哲学会」を組織し、雑誌『新しい道(ノーブイ・プーチ)』(1903~04)を発行、その周りに象徴派グループを結集して、ゴーリキーを中心とするマルクス主義文学運動に挑戦する。その間、詩よりも散文に力を注ぎ、世界文学中の優れた作家についての評論『永遠の伴侶(はんりょ)』(1897)を上梓(じょうし)、さらに長大な歴史小説三部作『キリストと反キリスト』の第一部『神々の死――背教者ユリアヌス』(1896)、第二部『神々の復活――レオナルド・ダ・ビンチ』(1901)、第三部『反キリスト――ピョートルとアレクセイ』(1905)を完成して一時世界的名声を博した。この三部作の根底にあるのは、ヨーロッパ史のいずれの時代も、霊と肉、神と悪魔、キリスト教と異教との二元の対立葛藤(かっとう)の歴史であり、それはやがてきたるべき黙示録的世界において統一調和される、という独特な宗教的、哲学的思想である。彼はこれと同じ方法を批評にも適用する。すなわち、「肉の洞察者」トルストイは「肉の霊化」に努め、「霊の洞察者」ドストエフスキーは「霊の肉化」に努め、両者は究極的に合一さるべきものであると説いた『トルストイとドストエフスキー――その生活と創作』(1901~02)をはじめ、『ゴーゴリと悪魔』(1906)、『ロシア革命の予言者』(1906)などを書いて内外の反響をよび、ドストエフスキー、ゴーゴリ再評価のきっかけをつくった。そのほか戯曲『パーベル1世』(1908)、『皇子アレクセイ』(1920)も手がけ、マルクス主義批評家のルナチャルスキーからさえ評価されたが、1917年の社会主義革命を反キリストの下僕の支配する悪魔の王国とみなし、20年にギッピウス夫人とともにフランスへ亡命、死ぬまで反ソ活動を行った。亡命中も『ナポレオン』(1926)、『知られざるイエス』(1932)など数多くの作品を書いたが、いずれも冗長で生彩を欠く。[箕浦達二]
『中山省三郎訳『永遠の伴侶 全二冊』、昇曙夢訳『トルストイとドストエーフスキイ――その生活と芸術 全二巻』(創元文庫) ▽米川正夫訳『背教者ユリアヌス』『レオナルド・ダ・ヴィンチ』、米川哲夫訳『ピョートル大帝 全二巻』(1986~87・河出書房新社)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

メレシコフスキーの関連キーワードアクショーノフカラムジンフォンビージンレスコフサーニズム小ロシア殺しあいプロシア王セットホームズ二世のロシア秘録ロシアの恋人

今日のキーワード

パラチオン、パラチオンメチル

パラチオンは無色で油状の液体、パラチオンメチルはコハク色の液体。ともに毒性が強く、有機リン系殺虫剤として使用された。50年代以降、稲の害虫被害を防ぐことが確認され、広く導入された。しかし、農民の中毒死...

続きを読む

コトバンク for iPhone