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モスル Mosul

デジタル大辞泉の解説

モスル(Mosul)

イラク北部の商業都市。チグリス川南岸にある。古くから隊商交易路の要衝で、羊毛・農産物の集産地として繁栄。中世以降は織物の生産地として知られた。人口、行政区280万(2009)。アル‐マウシル。

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大辞林 第三版の解説

モスル【Mosul】

イラク北部、チグリス川上流西岸の都市。小麦・皮革・羊毛などの集散地。毛織物モスリンの語源とされる。付近に油田がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

モスル
もする
Mosul

イラク北部の都市で、ニナワ(ニネベ)州Ninawa(Nineveh)の州都。正式にはアル・マウシルAl-Mawsilという。人口66万4221(1987センサス)、179万1600(2003推計)。ティグリス川の右岸、クルディスターン山地の南麓(なんろく)に位置し、年降水量は400ミリメートルと比較的多い。北部イラクの経済の中心地で、周辺の豊かな農牧地帯で産する小麦、大麦、ゴマ、キビ類、リンゴ、オレンジ、家畜などが集散される。モスリンの名で知られる優れた綿布の生産はいまは廃れてしまったが、皮革、ナイロン、製糖、セメントなどの工業が発達している。1939年北郊のアインザーラで油田が発見されて以来、油田採掘の基地として、また北部の工業化の拠点として著しい発展をみせた。交通の要衝でもあり、南のバグダードから通じる鉄道は、北西のシリア、トルコへと延びている。住民はアラブ人が多数を占めるが、クルド人の割合も多い。
 アッシリア帝国の都であったニネベの遺跡がティグリス川の対岸にあり、この地域一帯は古代オリエント文明発祥の地として古い歴史をもつ。モスルは、シリアとイランを結ぶ隊商路とティグリス水運の交差点にあり、古くから商業都市として栄えた。7~8世紀ウマイヤ朝下で州都となって最盛期を迎え、10~11世紀には地方王朝の都とされた。しかし13世紀にはモンゴルが侵入し、16世紀以降はトルコに支配され、東西交渉ルートも海路に移り衰退した。第一次世界大戦後、トルコから返還され、イラク北部の中心都市として再生した。[原 隆一]

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