モンシロチョウ(英語表記)Pieris rapae; European cabbage butterfly

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

モンシロチョウ
Pieris rapae; European cabbage butterfly

鱗翅目シロチョウ科。前翅長 30mm内外。翅の地色は白色。前翅表先端部は黒色で,このほかに黒色紋が2個ある。後翅は前縁部に小黒色紋があり,裏面は黄色を帯びる。一般に雌は雄より黒色部が明瞭で,前翅基部は黒みを帯びる。成虫は年数回出現する。幼虫はアブラナ科の栽培種の害虫で,特にキャベツを好む。世界各地に広く分布するが,人為的に広がった地域も少なくない。ヨーロッパ,北アメリカに産するものが原亜種で,日本に産するものは亜種 P. r. crucivoraという。近縁のタイワンモンシロチョウ P. canidiaは本種に似るが,後翅外縁の翅脈端に黒色斑があるので区別できる。タイワンモンシロチョウは,中央アジア,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島,中国,台湾,朝鮮などに分布し,日本では対馬と八重山諸島にのみ産する。 (→シロチョウ )

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百科事典マイペディアの解説

モンシロチョウ

鱗翅(りんし)目シロチョウ科の1種。開張55mm内外,白地に黒紋があるが,春型は小型で黒紋が不鮮明。日本全土,ユーラシア,北アメリカなどに広く分布。一般に幼虫を青虫といい,アブラナ科植物,特にキャベツを好むので農村地に多い。成虫は年3〜6回発生するが,盛夏には発生が衰える。普通は蛹(さなぎ)で越冬,暖地では幼虫でも越冬する。
→関連項目青虫シロチョウ

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

モンシロチョウ
もんしろちょう / 紋白蝶
small whitesmall cabbage white
[学]Pieris rapae

昆虫綱鱗翅(りんし)目シロチョウ科に属するチョウ。北海道より南西諸島にわたり全国的に分布する普通種で、アゲハ(ナミアゲハ)とともに一般にもっともよく知られたチョウである。奄美(あまみ)諸島以南の南西諸島にはもともと生息しなかったもので、これがすみついたのは比較的近年のことである。国外ではユーラシア大陸の暖帯から寒帯に広く分布するが、亜熱帯から熱帯的な気候の地にはほとんど生息しない。現在、北アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドにも定着したが、これはヨーロッパから二次的に侵入したもので、本来土着のものではない。台湾には1960年ごろに侵入し、土着のタイワンモンシロチョウよりも普通種となった。はねの開張45~65ミリメートル程度。はねの地色は白色、数個の黒紋がある。和名は「紋のあるシロチョウ」の意で、「紋の白いチョウ」の意ではない。雌のはねの表面は若干の黒い鱗粉を装い、雄に比べてやや色が暗い。寒冷地で年に2~3回、九州あたりの暖地では6~7回の発生を繰り返す。
 幼虫の食草はアブラナ科、キャベツ、ダイコンなどの栽培種・野生種のほとんどすべてが食草となるが、とくにキャベツを好み、その被害がひどい。俗に「アオムシ」とよばれるのはモンシロチョウの幼虫である。アブラナ科以外のフウチョウソウ科(セイヨウフウチョウソウ、ハリフウチョウソウ、ギョボク)、ノウゼンハレン科(ノウゼンハレン)に幼虫がつくことがある。蛹(さなぎ)の状態で冬を越すのが常態であるが、暖地では幼虫で越冬する場合もある。[白水 隆]

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