モーニングコート(英語表記)morning coat

翻訳|morning coat

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

単にモーニングともいう。男性洋服の昼間礼装。本来は朝の散歩服で,1830年代に登場するライディングコート原型として生れ,70年代になって一般化し,それまでの正装であるフロックコートに取って代った。ウエストで切替えて,そこから前面を斜めにそいだ形のテールがあり,剣襟,片前 (シングル) ,一つボタンで,白絹かピケ,またはコートと共布のチョッキおよび縞織紋のズボンを伴う。カラーは前折れで,白ピケか絹の蝶ネクタイを締めるのが典型であるが,近来は簡略化され,白ワイシャツに普通のネクタイであることも多い。なお夜の礼服燕尾服またはタキシード

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百科事典マイペディアの解説

男性用礼服。以前は昼間の半礼服であったが,フロックコートがすたれてから正式礼服となった。生地は上衣,ベストとも黒のドスキンやカシミア,上衣はシングルで一つボタン,衿(えり)は剣衿で,はひざ上まで。ズボンは縞(しま),ワイシャツは白地で,カラーは前折,ネクタイは普通白黒の縞で結び下げ,弔事には黒。シルクハットにエナメル靴が正式とされる。
→関連項目礼服

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世界大百科事典 第2版の解説

午前~日没までに着用される男性の正礼装。カッタウェー・コートcutaway coatともいい,19世紀前半,イギリスフロックコート前裾を裁ち落としたのに由来する。乗馬用として始まり,日常着,礼服と変化し,1920~30年代にフロックコートに代わる昼間の正礼装となった。第2次大戦後欧米では,結婚式以外にはほとんど用いられなくなったが,日本では一般的礼装として定着した。 前裾は大きくカットされ,後腰から裾へベンツを入れ,丈は膝丈が普通。

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大辞林 第三版の解説

男性の礼服の一。元来はフロックコートの代わりに着た昼の略礼服であるが、日本では昼夜いずれにも用いる正式礼服。後部が垂れた黒の上衣と共布のチョッキにたて縞のズボンからなる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

男子が昼間に用いる礼装用上着。黒無地のドスキンやカシミアなどの素材を使い、襟は剣襟、シングルの一つボタンが多い。ウエストに切り替えの縫い目が入り、前身頃(みごろ)の裾(すそ)は大きく斜めにカットされているが、後ろ丈は膝(ひざ)の裏あたりまで届いているのが普通である。後ろ身頃のウエストラインから裾に向かって長いベンツが入る。これにあわせるズボンは黒とグレーの縞(しま)。チョッキは上着と共布またはグレーの地で、シングルの五つボタンまたは六つボタン、ダブルの三つボタンも用いられる。シャツは白で、襟はウイング・カラーまたはダブル・カラーである。ネクタイは黒・白のストライプなど。[菅生ふさ代]

歴史

19世紀にヨーロッパの男性が礼装用の上着であるアビhabitと区別して、日常着として着用していたカッタウエーコートcutaway coat(前身頃の裾を斜めにそぎとる意)の一種であった。乗馬用のニューマーケットコートnewmarket coatから変化したともいわれるが、時代の流行によって、切り替えの線やポケットの位置などが多少異なる。19世紀後半から昼の略礼服の役目を果たすようになり、現代になって昼の正式礼服となった。[菅生ふさ代]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (morning coat) 男子用礼服の一つ。上着は黒無地で前すそは斜めに切れ、後ろに長い。ズボンは縞(しま)のものを用いる。元来は朝餐(さん)会用だがフロックコートに代用し通常礼服とする。モーニング。
※米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉四「御者の服も亦奇なり、窄袖にて長衣、猶『モーニング、コート』に似たり」

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