ヤロスラブリ(英語表記)Yaroslavl'

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ヤロスラブリ
Yaroslavl'

ロシア西部,ヤロスラブリ州の州都。モスクワの北東約 250km,ルイビンスク人造湖の下流のボルガ川に臨む河港都市。ロシアの古都の一つで,1010年ヤロスラフ1世 (賢公) が建設したといわれ,年代記には 1071年から記載されており,東方の毛皮獣狩猟地帯へいたるボルガ川水運の要地として繁栄していた。 1238年タタール人,1332年イワン1世 (カリタ) ,1371年ノブゴロドにより攻略されたが,いずれも復興は早かった。 1722年,ロシアにおける工業の初期の大企業の一つであるヤロスラブリ大織物工場が発足,18世紀には繊維工業を中心に発展した。ロシアでも重要なアマ織物の生産地。そのほか,製油,合成ゴム,アスベスト製品,塗料,染料,ディーゼル機関,製紙用機械,製材,皮革,食品などの工業も行なわれる。ヤロスラブリ大学 (1971) をはじめ,工科,医科,教育の各大学,ロシア最初の劇場 (1750) ,歴史・考古学博物館,美術館などがあり,歴史的建築物が数多く保存されている。 2005年ヤロスラブリ市街歴史地区として世界遺産の文化遺産に登録された。鉄道,ハイウェーの分岐点。人口 59万1486(2010)。

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百科事典マイペディアの解説

ヤロスラブリ

ロシア北西部,ボルガ川河岸の港湾都市で,同名州の州都。自動車,電気機器,合成ゴム,皮革などの工業が行われる。1071年の年代記に登場する古都で,12世紀創建のスパソ・プレオブラジェンスキー聖堂などの建築遺物がある。16―18世紀,ボルガ水運の要地として繁栄。1937年のモスクワ運河完成までは,モスクワの河港として機能していた。2005年歴史地区が世界文化遺産に登録。60万6612人(2009)。

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世界大百科事典 第2版の解説

ヤロスラブリ【Yaroslavl’】

ロシア連邦西部,同名州の州都。モスクワの北東約282km,ボルガ川に臨む河港都市。人口63万4500(1993)。ボルガ川沿岸で最古の都市といわれ,11世紀初めにキエフのヤロスラフ賢公によって建設され,1218年にはヤロスラフ公国の首都となった。16~17世紀にはモスクワ~アルハンゲリスク間の交易路の中心として栄え,16世紀後半には造船所が建てられた。1937年にモスクワとボルガを結ぶモスクワ運河が完成するまでは,モスクワの河港の役割を果たしていた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヤロスラブリ
やろすらぶり
Ярославль Yaroslavl'

ロシア連邦西部の都市で、ヤロスラブリ州の州都。人口62万0600(1999)。ボルガ川上流の河港都市で、鉄道の結節点。年代記の1071年に記録が現れるロシアの古都の一つで、ボルガ川水運の拠点として発展した。16~17世紀には手工業と商業が発展し、18世紀には繊維工業で知られ、ロシア革命(1917)後も亜麻(あま)織物を中心とする繊維工業が盛んである。革命後の重化学工業発展政策により、ほかにも種々の工業が立地するようになり、今日、石油化学(合成ゴム、ゴム製品、染料、塗料)をはじめとして、電気機械、建設資材、皮革、製材、食品などの諸工業が行われる。1971年創立のヤロスラブリ総合大学のほか、医学、工学、教育などの単科大学、人形劇場、ドラマ劇場、美術館など、教育・文化施設が多い。1750年建造のロシア最初の劇場をはじめ、16~17世紀の建築記念物が残る。[中村泰三]

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