イスラムの地理学者。ギリシア人を両親とし、アナトリアに生まれる。奴隷としてハマー(シリア南西部)の豪商に売られ、主人によりヤークート(紅玉)と命名された。取引に従事し、自由の身に解放されると、独立して書店を営み、著述を始めた。放浪の旅に出てペルシアに滞在中、チンギス・ハンの率いるモンゴル軍の侵入にあい避難する。メルブ(マリー)の図書館に出入りするうち、1218年に地理学辞典『諸国集成』の編纂(へんさん)に着手し、各地を転居しながら1224年に完成させた。アラブ文学関係の文人伝記集『文人集成』、アラブ諸部族の系譜を集めた『系譜集成』などの著作がある。散逸して現存しない古書からの引用が多く、その価値が倍加されている。
[佐藤圭四郎]
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
1179~1229
イスラームの事典編集者。『地理学事典』『学者文人事典』『家譜分統書』があり,いずれも従来の著述を集大成したもの。今日散逸した古書の引用がある。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...