無線制御または電波操縦のこと。送信された無線信号によって静止または移動中の物体を遠隔制御するもので、模型あるいは玩具(がんぐ)を対象に広く用いられている。
ラジオコントロールは第一次世界大戦のころに軍用として実用化が図られ、昭和の初期には模型を操縦することが試みられた。しかし、使用に耐えるようになったのは、第二次大戦後の1950年代で、普及するようになったのは、集積回路などのエレクトロニクスの進歩により制御がスムーズで容易になった70年代からである。
初期のラジオコントロールは、送信機にあるボタンを押すと、あらかじめ定められた操縦に切り換わるシングル方式で、すこしだけ方向を変えるには「チョン打ち」という短時間のボタン押しを用いた。このため、操縦はぎくしゃくしたものであった。しかし、その後のエレクトロニクスの進歩に伴って、レバーの操作により人間が直接操縦するのと同様に操作量に比例した方向制御と速度制御が可能なプロポーショナル方式、略して「プロポ」が生まれた。
プロポーショナル方式にはアナログ方式とデジタル方式がある。前者は装置が複雑で調整はめんどうであるが、後者は装置が簡単で調整も容易であることから、ほとんどのラジオコントロールは後者の方式を採用している。プロポは送信機、受信機、サーボから構成されており、模型などを操作できる機能に応じた数のチャネルを使用する。市販品では模型の自動車と船は2チャネル、飛行機は4チャネルが普通であるが、脚の出し入れ、フラップ操作、爆弾投下などの機能用にチャネルを増したものもある。
使用電波は13、27、40メガヘルツ帯のものが電波法で認可されているが、実際は27メガヘルツ帯の6バンドと、40メガヘルツ帯の地上・水上用の5バンドと空中用の8バンドが利用されている。送信機から500メートル離れた地点での電界強度は1メートル当り200マイクロボルト以下と規定されているので、壁に囲まれた建物内または建物から500メートル以上離れた地点で使用しなければならない。電波は地上で約400メートル、空中で約1キロメートルは到達できると考えられるが、実用になるのは空中でも400メートルが限度である。
[岩田倫典]
『日本アマチュア無線連盟著『アマチュア局用電波法令抄録』(1992・CQ出版社)』▽『伊藤福蔵著『ラジコン飛行機の製作・操縦』(1986・日本放送出版協会)』
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新