ラド(英語表記)rad

翻訳|rad

デジタル大辞泉 「ラド」の意味・読み・例文・類語

ラド(rad)

放射線吸収線量を表す単位。現在はグレイを標準単位とする。1ラドは物質1キログラムが0.01ジュールエネルギーを吸収するときの吸収線量で、0.01グレイに相当。記号rad

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精選版 日本国語大辞典 「ラド」の意味・読み・例文・類語

ラド

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] rad ) 放射線の吸収線量を表わす単位。放射線の照射を受けた物質一キログラムあたりの吸収エネルギーが〇・〇一ジュールの時の吸収線量を一ラドとする。現在はグレイを標準単位とし、一グレイは一〇〇ラドに相当する。記号 rad

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改訂新版 世界大百科事典 「ラド」の意味・わかりやすい解説

ラド
rad

吸収線量(電離放射線によって物質に与えられるエネルギー)の単位で,記号rad。物質1kg当り1/100Jのエネルギーが与えられるときの吸収線量が1radである。癌などに対する放射線治療では,数百~数千radの吸収線量が患部に与えられる。1980年代の後半からは,吸収線量の単位として,以前から使われてきたラドに代り,新しい単位グレイ(記号Gy)が用いられることになっている。1Gyは100radに等しい。
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化学辞典 第2版 「ラド」の解説

ラド
ラド
rad

吸収線量の単位.rad(radiation absorbed dose)で表す.放射線の照射によって物質1 g が100 erg のエネルギーを吸収したとき,その物質の吸収線量は1 rad であるという.1 rad は1 R(レントゲン)のX線やγ線の照射線量に対して種々な物質が吸収する線量にほぼ等しい.たとえば,水は1 R に対し98 erg のエネルギーを吸収する.すなわち,吸収線量は0.98 rad である.一方,空気は1 R に対し0.87 rad の吸収線量になることが知られている.国際単位系(SI単位)の吸収線量の単位であるグレイ(Gy)との関係は

1 rad = 10-2 Gy.

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百科事典マイペディア 「ラド」の意味・わかりやすい解説

ラド

放射線の吸収線量の単位。記号rad。放射線の照射によって物質1kgごとに電離粒子により100分の1Jのエネルギーが与えられるときの吸収線量が1rad。SI単位系ではグレイ(Gy)を用い,1Gy=100rad。
→関連項目グレイ放射線

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラド」の意味・わかりやすい解説

ラド
rad

放射線の吸収線量の実用単位。記号は radまたは rd。 1radは放射線がイオン化作用によって 1kgの物質に 0.01Jのエネルギーを与えるときの吸収線量。 SI単位のグレイ (Gy) との関係は 1rad=10-2Gy=10-2J/kg 。単位名はラテン語のラディウス (光線) に由来する。放射線治療においても一般にこの単位が用いられている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラド」の意味・わかりやすい解説

ラド
らど
rad

吸収線量の単位。1キログラムの物質が0.01ジュールのエネルギーを吸収するときの吸収線量をいう。記号はrad。1953年国際放射線委員会でCGS単位で定義され、1970年国際単位系で再定義された。実用上はラドもレントゲンもほぼ同量のエネルギーを表す。名称は、1918年に、X線量の単位を一匹ネズミを殺すに必要な線量として提案されたことによる。

[小泉袈裟勝]

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単位名がわかる辞典 「ラド」の解説

ラド【rad】

放射線に照射された物質が吸収したエネルギー量の単位。記号は「rad」(「rd」も可)。1radは物質1gあたり100エルグのエネルギーを吸収するときの線量。1975年に、ラドの代わりにSI単位系でグレイ(Gy)が採用(1Gy=100rad)された。

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栄養・生化学辞典 「ラド」の解説

ラド

 吸収線量の単位.略号rad.近年は SI 単位であるグレイ(Gy)が多く用いられるようになった.1Gy=100rad.

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世界大百科事典(旧版)内のラドの言及

【グレイ】より

…名は,イギリスの放射線物理学者グレーL.H.Gray(1905‐65)にちなんだもので,1975年国際単位系(SI)に採用された。以前は,ラド(rad)が吸収線量の単位として用いられた。1Gy=100radである。…

【弧度法】より

…半径1の円周上に長さが1の弧をとって,これに対する中心角の大きさを1ラジアン(rad),または1弧度といい,これを単位として角の大きさを測る方法を弧度法という。ふつうの六十分法では1回転を360゜として角の大きさを測るが,360という数には特別の意味はないので,弧度法のほうが六十分法より理論的である。…

【放射線量】より

…放射線量とは放射線のエネルギー吸収に関係した量をいい,通常は放射線の吸収エネルギーを物質の質量で除した量,すなわち吸収線量をいう。広義には照射線量や線量当量を含む。
[吸収線量]
 放射線は電荷をもつ荷電放射線(運動エネルギーを有する電子や陽子など)と電荷をもたない非荷電放射線(X線やγ線など)に大別される。荷電放射線は,ある物質中を進むとき,その道筋に沿って分子や原子を励起あるいは電離する。非荷電放射線は,直接,分子や原子を励起あるいは電離することはできないが,物質との相互作用により運動エネルギーを有する荷電放射線を発生する。…

【グレイ】より

…名は,イギリスの放射線物理学者グレーL.H.Gray(1905‐65)にちなんだもので,1975年国際単位系(SI)に採用された。以前は,ラド(rad)が吸収線量の単位として用いられた。1Gy=100radである。…

【放射線量】より

…すなわち,Dde/dmで与えられる。吸収線量の単位は,従来,rad(ラド,radiation absorbed doseの頭文字をとる)で, 1rad=100erg/g=10-2J/kgであったが,新しい国際単位では,radに代わってGy(グレイ,Grayの略)が用いられる。 1J/kg=1Gy=100rad 吸収線量はすべての放射線に適用できるが,物質の単位質量に吸収されたエネルギーで定義されており,通常,その物質名を明記しなければならない。…

※「ラド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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