ラマダーン(読み)らまだーん(その他表記)Ramaān

デジタル大辞泉 「ラマダーン」の意味・読み・例文・類語

ラマダーン(〈アラビア〉Ramaḍān)

イスラム暦9月。この1か月の間、イスラム教徒夜明けから日没まで断食を行う。断食月ラマダン

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラマダーン」の意味・わかりやすい解説

ラマダーン
らまだーん
Ramaān

イスラム暦(太陰暦)第9月の名称。この月、イスラム教徒には、夜明けから日没までの断食が義務として課せられている。また、「定めの夜」といわれる聖なる夜(ムハンマドに初めて神の啓示のあった夜)も、この月の後半にあたる。

[竹下政孝]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラマダーン」の意味・わかりやすい解説

ラマダーン
Ramaḍān

アラビア語で「暑い月」の意で,イスラム暦第9月をいう。イスラムではこの月の 27日にコーランが人々にくだされたとされる神聖な月で,教徒には日の出から日没までの断食の義務が課せられている。ただし旅行者,病人,妊婦などはこの義務を免除されるが,別の数日間に行うべきものとされる。この断食の習慣は元来ユダヤ教断食日 (1月 10日) の規定にまねてつくられたものであるが,バドル戦勝 (624) を記念するためにこの月に移された。現在ではラマダーンという言葉で断食を意味することがある。

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百科事典マイペディア 「ラマダーン」の意味・わかりやすい解説

ラマダーン

イスラムで断食等の潔斎を行う月。ラマダーンはヒジュラ暦の第9月。同月間,日の出から日没まで,教徒は一切の飲食物,香料,性行為などを断たねばならない。
→関連項目断食

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ラマダーン」の解説

ラマダーン
Ramaḍān

イスラーム暦(太陰暦)9月。ムスリム断食月。またコーランが最初に地上に啓示された月で,その日を含むとされる月後半の10の奇数日に勤行がある。ラマダーン明けの祭りは,イスラームの二大祭の一つ。

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改訂新版 世界大百科事典 「ラマダーン」の意味・わかりやすい解説

ラマダーン
Ramaḍān

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世界大百科事典(旧版)内のラマダーンの言及

【食事】より

…イスラム教徒はコーランによって禁じられた豚肉,動物の血液などがタブーであり,飲酒も好ましからぬこととされ,イスラム教徒が祈りを唱えながら,のど首をかき切って屠殺(とさつ)した動物の肉だけが食用として許されている。イスラム暦の第9月はラマダーンとよばれる断食月にあたり,日の出から日没のあいだ健康な成人男女はいっさいの飲食物を口にすることは許されず,食事は夜間にかぎられる。旧約聖書を聖典とするユダヤ教の食事タブーには,イスラム教と共通するものが多い。…

【断食】より

…アラビア語でサウムṣawmという。ムハンマドはメディナへのヒジュラの直後,ユダヤ教徒の制度にならってアーシューラーを断食の日と定めたが,バドルの戦の後,ラマダーンRamaḍān月(9月,ペルシア語ではラマザーンRamaẓān,トルコ語ではラマザンRamazan)を断食の月とした。イスラム教徒はこの1ヵ月間,日の出から日没までいっさいの飲食を禁ぜられ,つばを飲み込むこと,喫煙,性交,意図的射精も許されない。…

※「ラマダーン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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