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ランキン Rankine, William John Macquorn

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ランキン
Rankine, William John Macquorn

[生]1820.7.5. エディンバラ
[没]1872.12.24. グラスゴー
イギリスの工学者,物理学者。エディンバラ大学で教育を受け,J.マクネール卿のもとで土木技師として訓練された。ロイヤル・ソサエティ会員 (1853) 。グラスゴー大学教授となり (55) ,土木工学を講じた。材料力学,熱力学,弾性学,波動理論などを研究。熱力学のパイオニアの1人であり,エネルギーの語を初めて使用した1人である。 R.J.E.クラウジウスに先立って,のちのエントロピーと同等である「物質の状態量」を導入したこと (51) ,エネルギー概念に「アクチュアル」「ポテンシャル」の二分法を導入したこと (53) が,とりわけ注目に値する。また,彼の『蒸気機関の手引』 Manual of the Steam Engine and Other Prime Movers (59) は,蒸気機関作動のランキンサイクルや,蒸気圧式を用いた初めの理論的総合として高く評価される。また推進器,船の輪郭,流線などにも関心をもち,多くの研究を発表した。

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デジタル大辞泉の解説

ランキン(William John Macquorn Rankine)

[1820~1872]英国の工学者・物理学者力学のエネルギーを研究し、エネルギー保存の法則の発見などに貢献、熱力学の基礎を構築した。ランキンサイクルを提唱したことで知られる。また、伊藤博文の要請にこたえ、弟子ヘンリーダイアーを推薦するなど日本の近代的工学教育の導入にも尽力した。

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百科事典マイペディアの解説

ランキン

英国の工学者,物理学者。1855年グラスゴー大学教授。熱力学,弾性論,波動論を研究,ランキン・サイクルを考案(1851年),応用力学・土木工学・蒸気機関に関する便覧を書き,工学理論を整理・体系化した。
→関連項目エネルギー

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世界大百科事典 第2版の解説

ランキン【William John Macquorn Rankine】

1820‐72
イギリスの工学者,物理学者。熱力学の建設者の一人。エジンバラ大学で学ぶ。鉄道会社の監督となった父の仕事に協力した後,1838年から4年間アイルランドで土木工事に従事した。その後主として土木工学の勉学に励み,53年ローヤル・ソサエティ会員,55年グラスゴー大学の教授となる。彼は多くの工学の教科書を著し,いずれも評判を呼び,版を重ねた。それらは非常に包括的な便覧としての性格をもち,同時に理論的レベルも高かった。

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大辞林 第三版の解説

ランキン【William John Macquorn Rankine】

1820~1872) イギリスの工学者・物理学者。弾性理論や波動理論の研究のほか、さまざまな形態のエネルギーに対して統一的に「エネルギー」の名を与え、相互転換を論じた。日本の近代的工学教育の導入にも尽力した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ランキン
らんきん
William John Macquorn Rankine
(1820―1872)

イギリスの工学者、物理学者。エジンバラ生まれ。カレドニア鉄道の主事を務めた技術者の父から教育を受け、1836年エジンバラ大学に入学した。卒業後、技術者のマクニールJohn MacNeill(1793?―1880)の下で働き、測量、鉄道工事、土木工事などに従事。1842年独立して技術者として現場の仕事を行うかたわら、土木工学会にいくつかの論文を発表した。1840年代後半からは、数理物理学についての研究も盛んに行い、1840年代にフランスのルニョーがまとめた水蒸気についての膨大な実験に立脚して、当時の熱素説に基づく蒸気機関の理論を覆し、一気に熱力学の基礎を打ち立てるという物理学上の第一線の仕事にかかわった。当初は「分子渦動仮説」という力学的方法から出発したが、1855年には「エネルギー」概念を一般的に把握する見方を提唱し、同時代のW・トムソン(ケルビン)やR・クラウジウスと並んでこの分野をリードした。
 1855年、ランキンはグラスゴー大学の工学講座の教授に就任、以後、高等教育に工学教育を位置づけ、学問としての工学の市民権を獲得するという、当時イギリスで遅れていた仕事に熱心に取り組んだ。ランキンやトムソンの尽力によって、1872年にようやく理学士の学位制度が工学課程の修了者を含む制度として導入された。彼の工学に関する著作はそうした強い目的に貫かれている。『応用力学便覧』(1858)に始まり、『蒸気機関および原動機便覧』(1859)、『土木工学便覧』(1862)、『造船――理論と実際』(1864~1866、共著)、『機械および工場作業便覧』(1869)と続いた著作は、それぞれ最高水準を保ち、多くの版を重ねた。
 明治初期の日本の工学教育に尽力したH・ダイエルはランキンの門下であり、『蒸気機関および原動機便覧』は1886年(明治19)に『蘭均(ランキン)氏汽機学』として邦訳され、工部大学校で広く読まれた。[高山 進]

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世界大百科事典内のランキンの言及

【高速気流】より

…マッハ数という名称は,弾丸から発生する衝撃波について研究したオーストリアの物理学者E.マッハにちなんでつけられたものである。衝撃波に関する理論では,1870年にスコットランドのW.J.M.ランキンが,また87年にフランスのユゴニオHenri Hugoniot(1851‐87)が,それぞれ独立に衝撃波前後の圧力と密度の関係を与える式を導いた。これは現在,ランキン=ユゴニオの関係式として知られている。…

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