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自然居士 じねんこじ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

自然居士
じねんこじ

能の曲名。四番目物 (→雑物 ) ,現在能。観阿弥作。自然居士が京都雲居寺で説法すると,亡き両親供養のため身を人買いに売り,小袖を布施に出した少女があるのを知り,説法を中止して大津のあたりで人買いに追いつき,少女を救う。

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デジタル大辞泉の解説

じねんこじ【自然居士】

謡曲。四番目物観阿弥作。雲居寺(うんごじ)造営のために説法をしていた自然居士が芸尽くしを披露して、人買いから少女を連れ戻す。

出典|小学館
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百科事典マイペディアの解説

自然居士【じねんこじ】

能の曲目。四番目物。遊狂物。五流現行。親の供養のため身を売った少年(または少女)を救おうと,説経者自然居士は命をかけて人買いと渡り合い,彼らのなぶるままに芸尽しを展開して,ついに救出に成功する。
→関連項目現在能

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

自然居士 じねんこじ

?-? 鎌倉時代の遊芸僧。
絵巻「天狗(てんぐの)草紙」などにみえる禅宗系の説経者。簓(ささら)をすりながらまうので「ささら太郎」ともよばれた。「謡曲拾葉抄」は,和泉(いずみ)(大阪府)日根郡自然田村の人で,円爾(えんに)の孫弟子とつたえる。観阿弥作の能「自然居士」で知られる。

出典|講談社
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朝日日本歴史人物事典の解説

自然居士

生年:生没年不詳
鎌倉後期の禅宗系の説教師,勧進聖。簓を摺り,歌い舞いながら説教したので簓太郎とも呼ばれた。中世芸能にとっての始祖的存在である。『天狗草紙』(1296)には自然居士,蓑虫,電光,朝露ら「放下の禅師」4人組の歌舞説教が描かれる。この4人組は永仁2(1294)年3月,延暦寺の大衆僉議により京都から追放された(『渓嵐拾葉集』)。異形での歌舞説教はもとより,自然居士が聖一(円爾弁円)派であったことも追放の一因かとも考えられる。正安2(1300)年に近江の観音寺城佐々木頼綱の依頼により額の裏書をし,延慶3(1310)年には奈良の新薬師寺で庇勧進の説法をしている。早くから延年や風流の素材となったが,観阿弥作の能「自然居士」が最も有名。説教者の祖として,日本各地に墓が点在する。

(松岡心平)

出典|朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版
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世界大百科事典 第2版の解説

じねんこじ【自然居士】

能の曲名。四番目物観阿弥作。シテは自然居士。京都の雲居寺(うんごじ)では,造営の資を募るために,自然居士の説法が行われている。その席へ幼い子ども(子方)がやってきて,両親の追善のためにと小袖を捧げるので,人々はその孝心に感じる。ところがそこへ荒々しい男たち(ワキ・ワキヅレ)が侵入し,説法の世話役(アイ)の制止も聞かずに子どもを連れ去る。その報告を受けた居士は,子どもが小袖を身の代にして自分を売ったのだと気付き,説法を切り上げて男たちの跡を追う

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大辞林 第三版の解説

じねんこじ【自然居士】

能の一。四番目物。観阿弥作。勧進説法をしていた自然居士は、両親追善の布施のために我が身を売った少女を、いろいろな芸を演じて見せ、ついに人買いの手から救う。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

自然居士
じねんこじ

能の曲目。四番目物。五流現行曲。観阿弥(かんあみ)の作。創成期の能の活力に満ちた名作。雲居寺(うんごじ)造営のため七日の説法をする自然居士(シテ)に、小袖(こそで)を捧(ささ)げて父母の追善を請う少女(子方。流儀によっては少年)があった。それを荒々しい人買い(ワキ、ワキツレ)が引っ立てていく。寺男(アイ)が制止するが効き目がない。自らの身を売って親の供養を願う少女を救い出そうと、自然居士は後を追い、琵琶(びわ)湖のほとりでこぎだす舟を止めて、小袖と少女の交換を迫る。脅迫にも屈しない自然居士に閉口した人買いは、さんざんに恥を与えてから返そうと、次々に余興の舞を所望する。自然居士はさまざまの舞を繰り広げ、少女を救い出して都へ帰っていく。能には珍しく俗語を駆使した緊迫の問答のおもしろさは、作者観阿弥の独壇場である。クセ舞、中の舞、ささらの舞、羯鼓(かっこ)の舞と中世の芸能尽くしも、当時の観客の要望にこたえるものであった。観阿弥は大男であり、中年を過ぎた年齢ながら、この曲を演ずると10代の美少年にみえたと、息子の世阿弥(ぜあみ)が賛嘆を込めて書き残している。世阿弥の伝書に記載のある説法を述べている場面も、近年復活して上演されるようになった。[増田正造]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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世界大百科事典内の自然居士の言及

【問答】より

…能では一曲のうちに〈問答〉という謡事(うたいごと)小段をもつ曲があり,とくに現在能では現在進行形の緊迫した対話で,一曲を進める場合もある。たとえば,《自然居士(じねんこじ)》などがそれで,ワキの人買いとの問答により,シテの自然居士がさまざまな雑芸を披露してみせる。また夢幻能におけるワキとシテの問答には,信仰の場における託宣(たくせん)の形式が根底をなしているともいわれる。…

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