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一般法学 いっぱんほうがくallgemeine Rechtslehre

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

一般法学
いっぱんほうがく
allgemeine Rechtslehre

19世紀後半のドイツにおける法哲学の一形態で,規範,権利,義務など,法学の各分野にまたがる問題,概念を総合的に考察することを課題とする。近代自然法論の歴史的役割は終ったとし,実定法のみを対象とすることによって成立した。 J.オースティン分析法学や H.ケルゼン純粋法学などとともに,法実証主義の典型をなす。 A.メルケル,K.ベルクボーム,E.ビーアリングなどが代表者

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世界大百科事典 第2版の解説

いっぱんほうがく【一般法学】

法ないし法学の各分野を孤立化して扱わず,全部門に共通の概念を主として帰納的な方法によって取り出そうとする法の一般理論を指す。ドイツ法学は,イギリス,フランスの法学と異なり,近世から幾何学的方法を導入して,一般的・抽象的な法概念を構築し,その結果,民法の総則,刑法の総論の体系をつくり出してきた。国家学にみる一般国家学も同じ傾向をもっている。そのドイツにおいて19世紀の70年代から20世紀初頭にかけて登場した一般法学は,その傾向をいっそう進めたものであり,そのため総則の総論とも性格づけられている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

一般法学
いっぱんほうがく

一般名詞と固有名詞とがある。一般名詞としての一般法学は、別名法理学ともよばれ、実定法の一般理論(法の概念、法の性格、法規範の構造、法的諸概念の定義、法学方法論など)を研究する学問分野で、特定の法秩序の法(ドイツ法、日本法など)を研究する実定法学と対比される。その代表的なものとしては、ドイツの一般法学、オーストリアの純粋法学、イギリスの分析法学などがある。固有名詞としての一般法学とは、19世紀後半より20世紀初頭にかけて、そのような一般法学の体系化に従事したドイツの法学者たちの傾向および業績をさす。その代表的学者としてメルケル、ベルクボーム、ビンディング、ビーアリングなどがあげられる。一般理論の体系化に寄与するところが大きかったが、自然法論者からはその実証主義的偏向が批判され、ケルゼンなどからはその理論的不徹底が批判された。[長尾龍一]

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世界大百科事典内の一般法学の言及

【分析法学】より

…オースティンによれば,法学の対象である実定法は,それぞれの社会において,独自の体系をなして存在しているが,それぞれの特殊性にもかかわらず,とくに文化の進んだ社会相互間ではそれぞれの法体系に共通する諸原理,諸概念,諸区分が存する。分析法学(オースティン自らは一般法学general jurisprudenceと呼んでいる)は,成熟した法体系に共通する諸原理,諸概念,諸区分を客観的に分析する学問として創設されたものである。彼はその素材をとくにイギリス法とローマ法に求めた。…

※「一般法学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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