一言居士(読み)イチゲンコジ

  • いちごんこじ

大辞林 第三版の解説

何事によらず必ず何かひとこと言わなければ気のすまない人。いちごんこじ。

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (「一言抉(こじ)る」を人名になぞらえたもの) 何事にも、自分の意見を一つ言わないと、気のすまない人。いちごんこじ。〔新時代用語辞典(1930)〕

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四字熟語を知る辞典の解説

何事にも、自分の意見を一つ言わないと、気のすまない人。

[使用例] 父親は偏窟の一言居士で家業の宿屋より新聞投書にのぼせ、字の巧い文子はその清書をしながら、父親の文章が縁談の相手を片っ端からこき下ろす時と同じ調子だと、情けなかった[織田作之助*実感|1946]

[使用例] 細い、長い眉をいつもピリピリそよがせ、ちょっと酒を飲むと、どういうわけか一言士になってしまって、誰もなにも言わないさきに自分ひとりでさっさと短かすぎる結論をだし、その結論の潔癖さと無駄のなさに身のおきどころがなくて絶望してしまうという様子であった[開高健*見た|1963]

[解説] どんなことにも一言口を出す人はいるものです。そんな人をからかったことばで、俗語的な響きもあります。
 「居士」は、ここでは「男」「人」と言う意味です。戒名でも「○○居士」とあるのを見かけます。昔は在野の教養ある男の呼び名にも使われました。
 こう言うと由緒あることばのようですが、「一言居士」は、実はわりあい新しいようです。戦前の大きな国語辞典には、必ずしも載っていません。近代以降に広まったことばと考えられます。
 「一言こじる(=ひねくれた言い方をする)」が語源、という説もありますが、「居士」は「男」「人」のことと単純に考えていいでしょう。「○○居士」という言い方は「一言居士」以外にもいろいろあるからです。前田一「サラリマン物語」(1928)には「沈黙居士も居れば、一言居士も居る」と出てきます。
 国語辞典編纂者のけんぼうひでとしは、「○○居士」を二〇種類近く記録しています。そのうち、「謹厳居士」「感激居士」「慎重居士」などはよく使われています。

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