東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城(南部)などに伝承する農村娯楽芸能。名称は豊年満作から出たもので、普通は万作と表記されている。予祝と収穫の両方の祭事にかかわって春秋の祭りに神社に奉納されるが、また縁日には寺のお堂で演じられる。地域によって名称は一定でなく、東京や埼玉では万作踊とよぶ所が多いが、神奈川では伝播(でんぱ)者から飴屋(あめや)踊、千葉では伝播地から中山節、茨城では転用目的から小(こ)念仏とよぶ例が多い。そのほか歌詞や囃詞(はやしことば)からソウダイ節、オイトコ節、ノホホン節、楽器から四つ竹踊、主たる演目から高砂(たかさご)踊、粉屋踊、白松(しらまつ)踊、木更津(きさらづ)節、下妻(しもつま)節、広大寺節などともよぶ。手踊りが主流だが、所作(しょさ)入り手踊り、段物(万作芝居)、茶番狂言、地芝居などと種類も演目も多様である。段物は本行(ほんぎょう)どおりに演ぜずにパロディー化している点、俄(にわか)に似ている。万作踊は粗野で野太いのが特徴で、江戸住吉踊、江戸願人(がんにん)の芸系に属し、幕末に流行し、現存。かっぽれも同系の芸である。
[西角井正大]
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…収穫感謝の踊りは氏神の秋祭などに行われ,風流(ふりゆう)系のものが多い。関東地方には豊年満作を意味する万作踊があり,鹿児島県川辺郡川辺町勝目上山田の〈上山田太鼓踊〉や宮崎県小林市細野一区の〈輪太鼓踊〉は収穫感謝の豊年踊である。鹿児島県の薩南諸島や沖縄諸島にも,八月踊と称する収穫感謝の踊りがある。…
※「万作踊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新