手踊(読み)テオドリ

  • ておどり ‥をどり
  • ておどり〔をどり〕

世界大百科事典 第2版の解説

日本舞踊(歌舞伎舞踊)や民俗舞踊などで,手に扇や採物(とりもの)などの持ち物を持たずに素手でおどる踊りをいう。また祭屋台や寄席などで端唄や俗曲などにつれておどる踊りをいう。これは歌舞伎の所作事に対するいい方で,素人あるいは本式でないという意味である。その他座ったままで踊る踊りや簡単な踊りを指すこともある。地芝居では芝居そのものを手踊というところがある。【西角井 正大】

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

舞踊用語。(1)素人(しろうと)の踊りの意で、俳優や専門舞踊家の踊りに対していう。(2)寄席(よせ)や宴席などの俗曲による踊りの意で、劇場における本格の踊りに対していう。(3)歌舞伎(かぶき)舞踊のなかで全員がそろって、手に何も持たずに踊るくだりをいう。ドラマチックな作品においても筋に関係なく、踊りそのものとして挿入されている。(4)多勢で踊る盆踊のこと。(5)三味線につれて踊る娘手踊などの興行。(6)地芝居または小芝居の隠語。[如月青子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① 手だけでおどる踊。特に、すわって手振りだけでする踊。
※新体詩抄(1882)外山正一〉「日本人に取りては支那流の詩はも〈略〉操人形の手踊の如きものなり」
② 歌舞伎所作事に対して、祭り舞台や寄席などで端唄や俗曲などの三味線につれてする踊。
西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉八「ふんどしをめいめいときて水をしぼり布さらしの手をどりを見るごとくふりかざし」
多人数そろって、同じ手振りでおどる踊。盆踊都踊伊勢音頭、甚句踊など。
朝野新聞‐明治二五年(1892)一二月一四日「手踊りをなす教派を奉じ」
④ 歌舞伎舞踊のなかで、なにも持たず、主として手と足とでおどる部分。
※歌舞伎・貞操花鳥羽恋塚(1809)三立「いろいろ振り事あって、手踊(テヲド)りちらしまであって」
⑤ 軽快をとして、表情を主としない簡単な踊。

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