万次郎鉱(読み)まんじろうこう(その他表記)manjiroite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「万次郎鉱」の意味・わかりやすい解説

万次郎鉱
まんじろうこう
manjiroite

二酸化マンガン鉱物の一つ。1967年(昭和42)南部松夫(1917―2009)、谷田勝俊(たにだかつとし)(1930― )によって岩手県軽米(かるまい)町小晴(こはれ)鉱山から報告された新鉱物。単斜型クリプトメレン鉱のナトリウム置換体に相当するが、水分が必須(ひっす)成分として存在するので、同構造ではない。その後、オーストラリアのボリアーBollier、ピルバラPilbara、アメリカのアリゾナ州アルゼンチンなどからも発見された。層状マンガン鉱床の酸化帯に産し、軟マンガン鉱エヌスタ鉱、クリプトメレン鉱、バーネス鉱針鉄鉱などと共存する。命名は東北大学名誉教授の渡邉萬次郎(1891―1980)にちなむ。

加藤 昭 2018年10月19日]


万次郎鉱(データノート)
まんじろうこうでーたのーと

万次郎鉱
 英名    manjiroite
 化学式   Na1-xMn8O16・nH2O
 少量成分  Al,Fe,Cu,Zn,Mg,Ca,Ba,K
 結晶系   正方
 硬度    5(ビッカース硬度から算出
 比重    4.45
 色     暗褐灰
 光沢    鈍い
 条痕    褐黒
 劈開    無
       (「劈開」の項目を参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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