軟マンガン鉱(読み)ナンマンガンコウ(その他表記)pyrolusite

精選版 日本国語大辞典 「軟マンガン鉱」の意味・読み・例文・類語

なん‐マンガンこう‥マンガンクヮウ【軟マンガン鉱】

  1. 〘 名詞 〙 ( マンガンは[ドイツ語] Mangan ) 二酸化マンガンを主成分とする鉱物。黒褐色・不透明でやわらかい。柱状・塊状などでマンガン鉱床酸化帯に産する。マンガンの鉱石。〔鉱物字彙(1890)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「軟マンガン鉱」の意味・わかりやすい解説

軟マンガン鉱
なんまんがんこう
pyrolusite

二酸化マンガンの鉱物の一つ。パイロリュース鉱ともいう。既存のマンガン鉱物風化などによって二次的に生成されるほか、温泉沈殿物などの特殊な堆積(たいせき)物として、また低温熱水鉱脈鉱床中の初生鉱物としても産し、主として乾電池用の二酸化マンガンの原料として利用される。初生鉱物として産する場合は、錐面(すいめん)をもった正方柱をなす。また、水マンガン鉱仮晶をなすものもある。土状のものは多く不純物と混在し、結晶度も低い。英名ギリシア語の「火」(パイロ)と「流し去る」(リュース)に由来し、これをガラスなどに少量添加したとき、鉄による青色着色が除去されることから命名された。

加藤 昭]


軟マンガン鉱(データノート)
なんまんがんこうでーたのーと

軟マンガン鉱
 英名    pyrolusite
 化学式   β-MnO2
 少量成分  ―
 結晶系   正方
 硬度    2(土状)~6(結晶)
 比重    5.15(結晶)
 色     黒
 光沢    金属~土状
 条痕    黒
 劈開    二方向に完全
       (「劈開」の項目を参照)

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最新 地学事典 「軟マンガン鉱」の解説

なんマンガンこう
軟マンガン鉱

pyrolusite

化学組成MnO2の鉱物。パイロルーサイトとも。正方晶系,空間群P42/mnm,格子定数a0.442nm, c0.287,単位格子中2分子含む。黒~暗鋼灰色,金属光沢。自形は短~長柱状。硬度6~6.5,比重5.15。劈開{110}に完全。変成層状マンガン鉱床中,マンガンの二次鉱物として最もふつうに生成される種で,菱マンガン鉱などから導かれる。命名はギリシア語のpur(火)とlousis(洗浄)にちなみ,ガラスや陶器の鉄による黄色い着色が,これを加えることによって酸化されて除去される事実に由来する。ポリアナイト(黝ゆうマンガン鉱)と同義語。

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百科事典マイペディア 「軟マンガン鉱」の意味・わかりやすい解説

軟マンガン鉱【なんマンガンこう】

パイロルーサイトとも。組成がほとんど二酸化マンガンMnO2の鉱物。硬マンガン鉱とほぼ同成分だが,柱状または繊維状の結晶を示し,正方晶系。黒〜帯青黒色,金属〜亜金属光沢。硬度2(土状)〜6.5(結晶),比重5.15。マンガン鉱床の風化帯などに塊状,粉状で産出。特殊鋼製造に用い,純粋なものは薬品製造,乾電池に用いる。
→関連項目水マンガン鉱

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「軟マンガン鉱」の意味・わかりやすい解説

軟マンガン鉱
なんマンガンこう
pyrolusite

MnO2 。パイロルース鉱ともいう。正方晶系の鉱物。硬度は結晶形を示すもので6~6.5,塊状のものでは2ぐらい。比重 4.4~5.2。鉄黒色。金属光沢。条痕は黒色。各種マンガン鉱床の硬化帯に2次鉱物として産出するほか,大洋底から得られるマンガン団塊も軟マンガン鉱である。

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世界大百科事典(旧版)内の軟マンガン鉱の言及

【酸化マンガン】より

…多数の変態がある。天然にはパイロルース鉱(軟マンガン鉱)として産する。不定比化合物で酸素が不足しており,沈殿で得たものは水を含む。…

※「軟マンガン鉱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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