三面(読み)サンメン

デジタル大辞泉 「三面」の意味・読み・例文・類語

さん‐めん【三面】

三つの面。
三つの方面。「三面から包囲する」
仏像などで、一つ胴体に顔が三つあるもの。
新聞が4ページであったころは第3ページが社会面であったところから》新聞の社会面。

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精選版 日本国語大辞典 「三面」の意味・読み・例文・類語

さん‐めん【三面】

〘名〙
① 仏像などで、一つの体で、頭部に三つの顔があるもの。
太平記(14C後)一二「八臂六足にして鉄の楯を挟み、三面一体にして金の鎧著せり」
② 三つの平面。また、第三の平面。〔周礼注‐春官〕
③ 平たいもの、平たい部分を持つものの三つ。
平家(13C前)七「玄象・師子丸・青山、三面の琵琶を相伝してわたりけるが」
事物の三つの部面。三つの方面。
⑤ (新聞紙が四ページだった頃、第三ページが社会面だったところから) 新聞で、社会記事をおもに載せるページ。また、その記事。社会面。
※百物語(1911)〈森鴎外〉「新聞の三面(サンメン)に出るやうになってからもう大ぶ久しくなる」
社会百面相(1902)〈内田魯庵天下太平なる哉「内幕のスッパ抜きは某新聞の三面に洩らす筈なれば」

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改訂新版 世界大百科事典 「三面」の意味・わかりやすい解説

三面 (みおもて)

新潟県北東端部,村上市の三面川上流の山間にあった集落平氏の落人小池大炊介(おおいのすけ)なる人が開いたと伝承され,この家系が住民を支配して明治に至った。旧村上藩領であったが東方の峠を越えて米沢藩域との交流も多い。いずれの道も嶮峻で馬や牛の荷送りが困難なため,山中秘境という感覚で他からはみられていた。主要な生業は狩猟,河川漁業,山菜採取などだが,水田も比較的多くそれに山畑を耕して自給生活を営んできたようである。狩猟は主としてアオカモシカ),熊を対象とし,狩人はまたぎの名で呼ばれ,秋田・新潟の狩人たちはその地をマタギの先進地として尊敬の念をもって考えていたようである。アオとりの際には長期の山小屋生活を営み,山中生活では山言葉を用いるほか種々の禁忌があって,スカリと呼ぶ厳しい指揮者の統制下に行動した。熊狩りでの禁忌はやや緩やかで春のゼンマイ採りも山小屋で行うが,この場合は女性も参加し禁忌はいっそう緩やかである。しかしゼンマイ採りの沢や山腹斜面は,共同の組によって採取時期が規制され乱採が戒められてきた。山の神の信仰は今も強く,サガミ様が鎮まるという相模山を見る場所では,みなこれを拝して山中のぶじを祈り,この山にすむという爪白の熊は姿を見ても射てはならぬと伝えている。また山崎伊豆守なる人物の伝えた〈狩の巻物〉と称する近世の書が伝えられてきた。集落は,奥三面ダムの建設が計画され水没予定地となったため,1985年村上市松山に集団移転した。
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