デジタル大辞泉 「上げ」の意味・読み・例文・類語 あげ【上げ】 1 下にあるものを高い所に移すこと。「格上げ」「地上げ」⇔下げ。2 船の積み荷を陸上に移すこと。「荷上げ」3 相場が高くなること。騰貴。「上げ一服」⇔下げ。4 衣服が長すぎるとき、肩や腰などの部分を縫い上げてひだをつくり、からだに合うように短くすること。また、そのひだ。縫い上げ。5 能楽や邦楽などで、高い調子の声を出す部分。6 「上げ田」の略。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「上げ」の意味・読み・例文・類語 あげ【上・揚】 〘 名詞 〙 ( 動詞「あげる(上)」の連用形の名詞化。他の語の上下について造語要素としても用いられる )① ものをあげること。⇔下げ。[初出の実例]「よき程なる人になりぬれば、髪あげなどさうして」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))② 「あげた(上田)」の略。[初出の実例]「水を多み上(あげ)に種蒔き稗(ひえ)を多みえらえし業そわがひとり寝る」(出典:万葉集(8C後)一二・二九九九)③ 手紙などに書く上げ所のこと。[初出の実例]「消息、申状などの位所に某があけとは上とかけり」(出典:名語記(1275)六)④ 能楽、邦楽などで声を高くあげてうたうこと。また、高い声でうたう旋律の部分。[初出の実例]「(上歌う)『落花浄く降りて郭公初めて鳴き〈略〉』」(出典:金島書(1436))⑤ こたつのやぐら。[初出の実例]「塞ぎぬる火燵のあけも夕詠〈西鶴〉 二つ三つ子やもえ出る草〈友雪〉」(出典:俳諧・両吟一日千句(1679)第三)⑥ ( 揚 ) 遊客が芸者や遊女を買うこと。また、特に一昼夜通して買うこと。約束。日柄。[初出の実例]「小かんがあげの侍も、一僕つれて、なんとおさが遅かったか、小かんは来てかと腰かくる」(出典:浄瑠璃・心中刃は氷の朔日(1709)中)⑦ 駕籠(かご)の一種。窓がなくて垂れを下げておくような下級のもの。また、その駕籠に乗った代金。[初出の実例]「かごやにいたり『〈略〉あげを二てう出してくんな』」(出典:洒落本・角雞卵(1784か)暁鐘の実情)⑧ 衣服の裄(ゆき)や丈(たけ)の長いときに肩や腰などを縫い上げてひだをつけ体に合わせること。また、そのひだ。[初出の実例]「竹の子のやうだとあげをおろして居」(出典:雑俳・柳多留拾遺(1801)巻二)⑨ 「あげしお(上潮)」の略。[初出の実例]「もうかれこれ上汐(アゲ)へ廻りますから」(出典:歌舞伎・鏡山錦栬葉(加賀騒動)(1879)四幕)⑩ ( 揚 ) 揚げ油で揚げること。また、揚げたもの。特に油揚げのこと。〔本朝食鑑(1697)〕⑪ 「あげうた(上歌)②」の略。[初出の実例]「上 所は高砂の、所は高砂の、尾上の松も年ふりて」(出典:車屋本謡曲・相生(1430頃))⑫ 「あげせん(上銭)」の略。⑬ 株の相場が高くなること。⑭ 魚群の通る上方の空を海鳥が群れとなって飛ぶことをいう漁師のことば。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例