上富田(読み)かみとんだ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「上富田」の意味・わかりやすい解説

上富田(町)
かみとんだ

和歌山県南西部、西牟婁(にしむろ)郡にある町。1956年(昭和31)市ノ瀬(いちのせ)、岩田の2村が合併、町制を施行して成立、1958年富田川町と合併。JR紀勢本線(きのくに線)が通じる。町の中央を富田川が南西流し、盆地状の沖積平野では稲作ウメミカン栽培、施設園芸が行われる。朝来(あっそ)はかつて熊野街道大辺路(おおへち)(国道42号)と中辺路(国道311号)の分岐点である。八上(やかみ)、稲葉根(いなばね)、一瀬の王子跡(県史跡)がある。八上と稲葉根の王子跡は、世界遺産「紀伊山地霊場参詣(さんけい)道」(文化遺産)に含まれている。57.37平方キロメートル、人口1万5236(2020)。

[小池洋一]

『『上富田町史』全5巻(1989~1998・上富田町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「上富田」の意味・わかりやすい解説

上富田[町] (かみとんだ)

和歌山県南部,西牟婁(にしむろ)郡の町。人口1万4807(2010)。北は田辺市に接する。紀伊水道に注ぐ富田川下流に位置し,中央部を西南に流れる富田川沿いに小低地が開け,紀南地方の穀倉地帯となっている。中心集落の朝来(あつそ)は熊野街道の海岸回りの大辺路(おおへじ)(現,国道42号線)と内陸の中辺路(なかへじ)(現,国道311号線)の分岐点で,古来交通の要地であった。国道42号線に並行して紀勢本線が走る。農業が基幹産業で,米作,ミカン,イチゴなどの栽培が行われる。近年,田辺市のベッドタウン化が進み,人口増加が目だつ。
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百科事典マイペディア 「上富田」の意味・わかりやすい解説

上富田[町]【かみとんだ】

和歌山県南部,西牟婁(にしむろ)郡の町。北西部は田辺市に接し,中央部を富田川が南西に流れる。花卉(かき),イチゴ,蔬菜を産する。富田川沿いの主集落朝来(あっそ)は,熊野街道の大辺路(おおへじ)(国道42号線)と中辺路(なかへじ)(国道311号線)の分岐点で,古くからの交通の要地。紀勢本線,紀勢自動車道が通じる。57.37km2。1万4807人(2010)。

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